このところ、仕事も忙しかったけど、プライベートもてんやわんやで、ブログから遠のいていたら、すっかり書く気力が起きなくなってしまっていた。このブログ休止中に数多くの映画、良作も駄作も見たのに、なかなか書くところまでの気力が湧かなかった。でも、この映画を見て、ようやくパソコンの前に向かう気になった。
原題:ヘルタースケルター 製作年度:2012年 製作国:日本 上映時間:127分
監督:蜷川実花 脚本:金子ありさ 原作:岡崎京子
出演:沢尻エリカ、大森南朋、寺島しのぶ、綾野剛、水原希子、新井浩文、桃井かおり
この映画に期待している人々でまだ鑑賞していない人がいたら、今からここに書くことについては、申し訳ありませんが、読まない方がいいと思います。私にとって、この作品は悪い意味で強烈でグロテスクで怖い作品でした。
以前、この蜷川実花監督の作品『さくらん』というのを見た時に、内容が浅すぎて薄すぎて随分がっかりしたので、この監督はどうなのかと思っていたけど、今回も期待を裏切らず、色彩だけがけばけばしく、背後に流れる音楽も無味乾燥だし、内容も薄っぺらっくて、がっかりしてしまった。
沢尻エリカは熱演していたと思うけど、それ以上に、始終映し出されている毒々しい色彩に見ているうちに吐き気をもよおしてきさえした。色彩だけではない、目の前で繰り広げられる主人公の悪意に満ちた言動やら行動に吐き気が生じたのかもしれない。後半からはただ「怖い・・・」としか感じなかった。沢尻エリカ演じる「りりこ」の抱える苦しみ、葛藤、行き場のない不安・・・。視覚に訴えてくる、美しいものが醜悪へと崩れていく様子。
せめて、主人公の抱える哀しみが、その性格の醜い面よりももっと前面的に描写されていたら・・・。観る者にここまで不快感を抱かせることができるというのは、ある意味で、強烈なインパクトを残せたということなのかもしれない。
でも、もうこの監督の作品は、私自身の感性に合わないようなので見ないことに決めた。
まだ『さくらん』の方がましかも・・・。