リフレッシュの時間

自分の思いつくままに、好きなことを書いています

エル・グレコ展

あっという間に3月に突入しました。私の仕事は、一年で最大の繁忙期を迎えております。確定申告ですよー。
休日出勤も増え、疲労ピークの今日、ストレスは溜まるし、何かしんどくて、思い立って美術展に行ってきました。
金曜日だけ開場時間を延長してくれています。感謝。
 
東京都美術館で開催中の、エル・グレコです。
ここまでどっぷりエル・グレコは初めてでした。宗教画のイメージが強かったけど、確かに払拭されたかも。
どぎつい配色に、独特な雰囲気を漂わせるマニエリスム
美術展の前半ではどことなく違和感を感じていたこの作風に、いつの間にやら「面白いな」と感じていた。
 
今回のエル・グレコ展の代表作。
イメージ 1
『無原罪のお宿り』  サン・ニコラス教区聖堂 所蔵、トレド、スペイン 1607-13年
 
この作品を見る前に見た、『聖母戴冠』(カリダード施療院、イリェスカス 1603-05年)の“聖霊”に驚きました。『聖母戴冠』を見る前に『受胎告知』を見て、聖母マリアを取り巻く、雲のような頭のような形の灰色のものに疑問符を抱きながら、『聖母戴冠』を見たわけですね。そこでその物体の正体を認識したのです、「さっきから解説で“聖霊”とあったのはこのことか」と。グロテスクな頭に翼が生えているものです。
この『無原罪のお宿り』の上部にもたくさんいる。これが聖霊なんですね。気味が悪いわ。
 
キリスト教を熟知していないから、わからないことがたくさんあります。それでもこの絵の世界観は、現代アートにも十分通じるものがある気がする。最近こんな漫画とかアートありませんでしたっけ。
 
イメージ 2
私は、やはり、こんな毒々しい世界観よりは平和な方が好みのようで、一番好きだと思った作品は、こちらです。
 
『巡礼者としての聖ヤコブ
サン・ニコラス教区聖堂 1585-1602年
 
こちらの作品。上に比べたら平和ではないですか。
実際の作品はもっと朱色の服が濃い朱色で、重厚感も感じられるものでよかったです。安定感があっていいよね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 3他に、ポストカードで記念に買ってきた作品はこちら。
 
『聖マルティヌスと乞食』
奇美博物館、台湾  1600-10年
 
マルティヌスが、乞食に自分のマントをあげている画だそうです。
 
THEマニエリスムという感じです。
色の使い方が奇抜です。
乞食なのに筋肉隆々に見える。
 
こういう描き方は、美術展の初めに展示してあった肖像画とは全く違いますよね。漫画とかに近いと思う。自分の世界の中で描いているんでしょうね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エル・グレコ。なかなか面白い美術展でした。
個人的には、あまり毎日は見たくない雰囲気ですが。特に今日は疲れ果てながら見に行ったのですが、疲れが吹っ飛ぶというよりなんか変な状態になった。癒されると言うのとは違って、なにか全くの異次元の世界に触れたような感じです。
 
この世のものとは思えない。想像の世界だけど、聖書の中の人物を描くにしてはなんだか変に生々しくて気持ちの悪いような感じです。さすが、同じ宗教画でも中世美術とは全く違いますね。こっちの方が確かに面白いかも。
 
ということで、久々の美術展の感想文はこのあたりにしておきます。明日も仕事ですし。もう疲れました。
 
出展数もちょうどいいぐらいですし、たまにはこんな異質な空間に浸かるのもエキサイティングかもしれませんね。2013年4月7日まで開催中です。