リフレッシュの時間

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美術史・マニエリスム

マニエリスム。語源は「マニエラ」で、イタリア語で「手法」や「様式」を表すそうです。
ルネサンス全盛期のミケランジェロラファエロたちの「マニエラ」を形式的にまねただけ
という否定的な意味で名づけられたそうです。
 
具体的には、ミケランジェロのシステーィーナ礼拝堂の『最後の審判』などに見られる
曲がりくねった肉体表現の描き方からさらに独特な不自然なポーズや歪んだ形を描いたもの。
 
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ミケランジェロ   『最後の審判』(部分)  1541年   システィーナ礼拝堂
 
確かに筋肉ムキムキで、おおげさな感じはあります。これが、マニエリスムへとつながっていくのですね。
 
そして、マニエリスムの代表的な作品がこちら。
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パルミジャニーノ   『長い首の聖母』(部分)  1535年頃   ウフィツィ美術館

聖母の首の長いのも変ですけど、抱いている子ども(イエスですよね?)がもっと変で不気味です。
絵のタイトルの聖母の首よりイエスの脚のほうが怖いんですけど。イエス様、ぐったりしていません?
真夜中にこの絵と対面したら夢でうなされそうです。
 
それまでは否定的に見られていたマニエリスムは、20世紀に入ると、
単なる形式主義の産物ではなく、創造的な手法主義として評価されるようになったとのこと。
また、この不自然さは「ローマの略奪」以後の不安な精神を象徴する芸術と評価されることもあるそうです。
 
このジャンルでの代表的画家としては、上の絵の画家パルミジャニーノの他に、
ロッソ・フォレンティーノ、ポントルモ、ブロンズィーノ、アルチンボルドなどがいて、
時代的にフランスのフォンテーヌブロー派やスペインのエル・グレコが含まれる場合もあるそうです。
 
エル・グレコの作品は、こないだボストン美術館展でも観たし、他にも何度か目にしたことがありますが、
確かに独特な作風ではあるけど、マニエリスムに区分されることもあるのですね。なるほど~。
 
このルネサンスあたりの作品を見ていると、ウフィツィ美術館に所蔵されているものが多い気がするのですが、
フィレンツェにあるウフィツィ美術館ってルネサンス美術の宝庫なんでしょうか。
まだフィレンツェには行ったことがないですが、行ったときには訪れてみたいです。

さて、話を本題に戻しますと、晩期ルネサンスとしてマニエリスムが登場した一方で、
ルネサンスの調和をダイナミックに超えようとするバロックが17世紀に登場しました。
 
次回はバロックについて書きます。