リフレッシュの時間

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美術史・ルネサンス

ルネサンスについて、出来る限り簡単にまとめます。
 
ルネサンス」とはみなさんご存知のとおり、「再生」を意味する言葉。
では、何を再生するかというと、「古代ギリシャのリアルな肉体表現」です。
 
ここまでは、なんとなく世界史の授業などで学んで知っていた気がします。
 
ルネサンスは、15世紀頃にイタリアを中心に起きました。
それまでは、「中世」であり、この時代はキリスト教会が支配し、
美術の使命は「人間よりは神の姿を荘厳に描くことにあった」とのことです。
 
そのため、私はてっきり、何か宗教的な決定的事件が起こりそれをきっかけにルネサンスが始まったのかと
思っていたのですが、どうやらそうでもないようです。はっきりとはわかりませんが、
それまでにすでに徐々に教会の権力が落ちていっており、
その中で、古代ギリシャ・ローマの肉体表現が復興し始めたようです。
 
このあたりのことは、もっといろんな文献を調べたら、さらに詳しいことがわかるんでしょうね。
新たに知ったのは、芸術家のスポンサーたちが大きく影響しているということです。
この時代に、中世以来のキリスト教に加えて、
新たに貴族や商人が文化のスポンサーとして台頭してきたそうです。
 
ルネサンスと言えば・・・
 
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 『ヴィーナスの誕生』   サンドロ・ボッティチェリ  1483年頃      フィレンツェ・ウフィッツィ美術館蔵
 
この絵も、メディチ家の3代目当主・ロレンツォの注文で描かれたとのこと。
このヴィーナスはギリシャ神話であり、キリスト教にとっては異教の絵。
おまけに「裸体」は不道徳だったので、これが描けたことこそまさにメディチ家の力なんでしょうね!
 
ちなみに、ボッティチェリは、この作品以外にも古代の神々の絵を描いたそうですが、
ヴィーナスの誕生』の約10年後に、フィレンツェを支配した修道士サヴォナローラの思想に傾倒。
それまでに描いた「異教」の作品を自ら焼き捨ててしまったそうです。もったいない・・・。
 
ルネサンス時代には、絵画技術も大きく発展したそうです。遠近法の誕生油絵具の発達・・・。
ルネサンスの作品で毒々しいほどまでの鮮やかな色彩の作品を見かけますが、
あれは、新しく開発された絵具で、色とりどり自由に描ける喜びを表しているんですね。
 
上のボッティチェリをはじめ、ダヴィンチ、ミケランジェロラファエロ・・・が現れ、
南ドイツではデューラーが登場。その他、著名な芸術家が多数登場しますよね。
 
「リアルで科学的な肉体表現」を特徴とするルネサンスは、全盛期を迎えた後、徐々に、
そのリアルさに力強さの強調などが加わっていき、16世紀前半のイタリアで、マニエリスムが登場します。

次回は、マニエリスムについてです。