リフレッシュの時間

自分の思いつくままに、好きなことを書いています

『ダウト/あるカトリック学校で』

一昨日は、簡単に力尽きてしまいました。やっぱり仕事後に2つ以上の記事は厳しいですね。


メリル・ストリープフィリップ・シーモア・ホフマンの迫真の演技が真に迫ってました。さすが演技派。
 
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原題:DOUBT  製作年度:2008年 製作国:アメリカ 上映時間:105分
監督・脚本:ジョン・パトリック・シャンリー
出演:メリル・ストリープフィリップ・シーモア・ホフマンエイミー・アダムスヴィオラ・デイヴィス
    アリス・ドラモンド、オードリー・ニーナン、スーザン・ブロンマート
 
この映画は、話の展開もさることながら、俳優たちの演技を見るための映画かもしれません。
 
タイトルにあるように、ニューヨークにあるカトリック学校での、校長先生と神父さまを巡る話なんですが、簡単に言うと、神父さまと男子生徒との仲を疑った校長先生が神父さまを尋問し、追い詰め、果てには「つぶす」ことを企むという話です。なんとも恐ろしい~しかし現実に世間ではよくあること・・・のような話。
 
厳格な校長メリル・ストリープvs.人情味あふれるが怪しい神父フィリップ・シーモア・ホフマンの闘う(言い争う)場面があるのですが、これが一番の見どころ。人と人がぶつかり合うリアルな姿を見た気がします。あの内に秘めた心の中で相手に対してキレているときの緊張感、その場に漂う空気・・・。その場に居合わせたら思わず「気まず~」ってなるあれです。あれを画面を通して感じるなんてね、考えたら珍しいことです。
 
この映画は、アカデミー賞を受賞したんかな、ノミネートされただけで受賞はしていないようですね。それでも、この2大俳優の演技合戦はお見事でしたけどねぇ~、まあ後味のいい話ではないからかなぁ。
 
やっぱりメリル・ストリープは凄いと思う。(別に好きではないですが・・・。)彼女の最後の場面、「疑いが・・・疑いが・・・」という演技はもう彼女自身がその偏狭で陰険な校長先生そのままになっていたから生じた言葉、しぐさだったと思う。そして、その言葉は彼女の不幸せさを感じさせたし、見ていて憐れでした。メリル・ストリープでは、あの場面が最も強く印象に残ったかなぁ。『疑い』の気持ちは、キリストの信仰には不要のものだということが伝わってきました。
 
といっても、決してフィリップ・シーモア・ホフマンメリル・ストリープに負けていたわけではありません。彼もまた慈愛あふれる精神を持ち、真実ばかりが正しいわけではないという現実的な面を持つ神父を不自然なく演じていました。彼と校長先生との口論では、彼の校長先生に対する「は????!!!!」という感情がめちゃくちゃ伝わってきましたわ。校長先生は正論を押し通すタイプですからね。
 
この演技合戦を見ているだけでも面白かったし、話の内容もあまり気分のいい話ではないけど、楽しめたと思います。実力派俳優の演技はすごいですね、一人の演技にもう一人の演技が重なってさらに上乗せしていってそれらが融合して作り出される世界は、真に迫っていて、ある意味リアルを超えているかもしれないと思いました。