昨日、台風の暴風が吹き荒れる中『ワシントン ナショナル・ギャラリー展』に行ってきました。
ワシントン ナショナル・ギャラリー展公式HP
ワシントン ナショナル・ギャラリー展公式HP
(↑チラシに載っている作品は、マネの“鉄道”です。)
会期終了間近でしたが、台風のおかげか(?!)混雑は緩和されていたように思います。
展示の構成はいたってシンプル。
時代の流れとして印象派周辺の知識を入れていた私にとっては復習、知識の再確認となりました。
展示の構成と、各展示の簡単な内容
1.印象派登場まで ―バルビゾン派や写実主義、印象派に直接影響を与えたマネ―
今回の印象派展の特徴としては、展示3章の紙による作品でしょうか。今まで観たことのない印象派画家やポスト印象派画家たちのエッチングやリトグラフ、パステル画による作品が並んでいました。版画は、色がないので(一部、色があるものもありましたが)、元の油彩の有名な作品と同じものでも全く違った雰囲気に思えました。
作品自体も小ぶりになりますしね。やっぱり、印象派の作品は色がついてこそいい!と感じました。
今回は、私の大好きなゴッホの作品も3点来ていましたが、自画像は、最晩年のものだったからか、どことなくパッとしないような作品に感じられました。出展されていたゴッホの作品の中で「いいな!」と思ったのは、これ。
“薔薇” 1890年
油彩/カンヴァス
バラの葉っぱの緑が背景のグリーンとなじんでいて、ゴッホらしさを感じました。エメラルドグリーンに近いこの緑色の持つ暖かさのようなものを感じ、白いバラの花もキレイに映って見えました。
他にポスト印象派画家で面白い作品と思ったのはこちら。
“赤いチョッキの少年” 1888-1890年
油彩/カンヴァス
セザンヌって独特のセザンヌらしさがありますよね。普段はセザンヌの風景画の方が好きだと思うのですが、今回は、他に出展されていたセザンヌの風景画より、このチョッキの少年が良かったです。なんだろう、色の使い方もいいなと思いますし、少しデフォルメが入っていると思われる左腕のだらんとした様子も好きです。
“踊り子” 1874年
油彩/カンヴァス
この作品は、非常に大きい作品でした。実物は、踊り子のスカートのフワッとした感じがもっと背景に融け込んでいて、きれいでした。背景もグレーなのに全く暗くなくて、なぜか明るい透明感があったと思います。踊り子のバレエシューズが淡いピンク色で、実物ではその光沢感が分かるのですが、その光沢感も素敵でした。
踊り子のかわいさが絵全体からにじんでいて、いいなと思った作品でした。
他にも、モネやドガ、ピサロなど、たくさん印象派画家、ポスト印象派画家の作品が来ていて、充実していました。といっても、出展数はそれほど多くないと思います。見終わった後疲労感がなかったので。普段出展数が多いと、全て見るのに2時間以上かかり、おまけに見終わった後、クタクタになっているのですよね。それが今回は無かったです。私としては、これぐらいの出展数がちょうどいいかも。
それから、普段あまり見たことのなかった、カイユボットの作品や、ベルト・モリゾの作品、メアリー・カサットの作品を見れたのは良かったです。モネの日傘の女性、子どもと一緒バージョンの作品も来ていました。
この美術展は、東京では明日9月5日をもって終了し、次は9月13日から11月27日まで京都市美術館にて開催されます。
美術展を出て、2つの美術展のチラシをゲットしました。(↓画像をクリックすると各公式HPに飛びます。)
それと、モダン・アート、アメリカン展。これも興味あります。アメリカの近代美術館フィリップス・コレクションから出展する美術展だそうで、チラシの中身を拝見したところなかなか面白そうでした。これは9月下旬から。
芸術の秋が近づいてきたわ。今から楽しみです。