クリント・イーストウッド主演・監督のロードムービーです。実の息子との共演です。ストーリーは途中までは単調に思えたけど、最後は良かった。やっぱりクリント・イーストウッドはいいな。しかも、若い時かっこいいし。
原題:Honkytonk Man 製作年度:1982年 製作国:アメリカ 上映時間:123分
監督:クリント・イーストウッド 原作・脚本:クランシー・カーライル
出演:クリント・イーストウッド、カイル・イーストウッド、ジョン・マッキンタイア、
ヴァーナ・ブルーム、マット・クラーク、アレクサ・ケニン、バリー・コービン
【あらすじ】 ネタばれなし
1920年代の終わり、世界恐慌時代。綿花栽培をして生計を立てている貧しい家族のもとに、砂嵐の中ある男がやってきた。酔っぱらった状態で車の中で突っ伏していたその男は、ウィット(カイル・イーストウッド)の伯父にあたるレッド(クリント・イーストウッド)だった。所持品はギターのみ。重い病気にかかっているにもかかわらず、カントリー歌手としてオーディションを受けるためにナッシュビルに向かう途中だった。
病床でも隠れてお酒を飲み、気ままにギターを弾く。そんなレッドに好感を持ったウィットは、世話をしながら次第に仲良くなる。レッドは、歌手に興味がありそうなウィットを自分と一緒にナッシュビルに連れていくことをウィットの両親にお願いし、両親は渋々承諾。故郷のテネシーに帰りたいと言うウィットの祖父も連れて、3人の旅が始まった・・・。
【感想】 以下、少しネタばれあり
クリント・イーストウッドが演じる「しがない」カントリー歌手の生き様を描いた作品です。黒人だけが集まる酒屋で黒人に混じってピアノを演奏するレッドの場面があるなど、ところどころクリント・イーストウッドの価値観が表れていて、今まで観たイーストウッド監督の作品同様、人種差別への反対にも触れながら、一人の人間の生き方を描いている真面目な作品だったと思います。
このイーストウッド監督の描く「男」の理想像、私も共感します。私は女だけど、こんな「男」のように人生を全うしたいな。レッドの病気は結核で、治療もせずに医師から止められているのに歌い続けて明らかに命を縮めているのに、それでも治療に専念することを「命を無駄にする時間の使い方」と考え、自分のしたいことだけして、夢だけ描き続けて生きたいと強く思っています。病気を治そうとしないところにはレッドの頑固さが表れていますが、その気持ちはすごく良く分かる。
そんなレッドの姿を間近に見ながら、少年ウィットも人生について色々考えているようでした。
レッドの最期のシーンは泣けたわ~。クリント・イーストウッドも迫真の演技だったと思う。ああいうふうに人は死ぬのかなぁ。後悔や無念や夢や希望やあらゆる感情を抱く一人の人間の姿を見せつけられました。
地味だけど、いい映画でした。私は好きなタイプの作品です。