リフレッシュの時間

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『宇宙(そら)へ。挑戦者たちの栄光と挫折』

昨日の1月22日、種子島宇宙センターから無人輸送機ロケット“HTVこうのとり)”の打ち上げが成功しましたね!先日、ちょうどロケットの打ち上げに始まり宇宙への試行錯誤を描いたドキュメンタリーを見ました。
 
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原題:ROCKET MEN  製作年度:2009年 製作国:イギリス 上映時間:98分
監督:リチャード・デイル
 
【作品内容】
設立から50年が経つNASA。そのNASAの軌跡を、実際のフィルムをつなぎ合わせて描いたドキュメンタリー。
 
冷戦時代はまず地球の外=宇宙へ飛び出すことを目指し、それに成功すると、次は月面着陸を目指す。
それまでの過程で何度も失敗を繰り返し、時には悲惨な事故を招きながらも、決して諦めることなく必死に挑む人々の様子を描く。
 
イメージ 3アポロ計画。1969年7月、ついに月面着陸したアポロ11号。その様子を月から生中継するTV放送。
 
その後も何度か月面着陸に成功するが、やがて、ヴェトナム戦争の泥沼化により宇宙開発は滞る。
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 2そして、1980年代に入るとスペースシャトルが開発される。スペースシャトルは、人をたくさん乗せることができ、貨物を運ぶことができる画期的な宇宙船だった。
 
このスペースシャトルにより、ハッブル宇宙望遠鏡が1990年に打ち上げられる。
 
一方で、1986年と2003年に、スペースシャトルが爆発し、乗っていた宇宙飛行士の計14名が亡くなる悲惨な事故が起きる。
 
 
 
決して成功ばかりではなく、失敗を繰り返しながら歩んできたNASAの道のりを描いた作品である。



【感想】
凄い映像ばかりでした。実際の映像をつなぎ合わせて、ナレーションもNHK風なので「NHKスペシャル」のようなドキュメンタリー映画でした。
 
まず、一番に驚いたのは、アポロ11号の月面着陸中継の様子です。最近でもたま~に宇宙から中継のニュースを見たことがありましたが、1969年に「月から中継です」なんてことが実際にあったなんて驚きを隠せません。
1969年に月面着陸した事実などはもちろん知っていましたが、私からすると教科書に出てきた歴史の一ページであり、歴史とは事実だと分かっていても実際に自分が体験していないとどこか実感が湧かないではないですか。アポロ11号についてもその感覚でした。
それが、こうしてリアルな映像で、それに到達するまでの軌跡を見て、そして感動的な中継模様を見ると、何か非常に感動しました。この時代に凄いなぁ~!と。現在だって「月から中継です」なんてあったら必ず見ますよ!
 
それから、命綱なしの宇宙遊泳の映像にも驚きました。この大気圏の外の何もない宇宙空間で、宇宙飛行士が無重力の中フワフワ浮いているんですよ。目を疑う光景でした。こんなことして大丈夫なのかと心配にもなりましたけど。
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ショッキングなのは、やはり1986年のスペースシャトルチャレンジャー号爆発事故です。民間人から宇宙飛行士を養成したそうで、乗組員に選ばれ感極まってコメントする女性の教師の映像の後に映し出された、あの空中爆発の様子は、不慮の事故とは言えかなりショッキングでした・・・。
 
また、地球が宇宙から大気圏によって守られているということもこの映画で知りました。なんでも、宇宙から大気圏に突入する瞬間が最も命のリスクが高まる瞬間だそうで、大気圏突入時、周囲の温度は1500度以上にもなるそうです。その時に起きた事故が2003年のコロンビア号空中分解事故でした。
 
しかし、こうした事故の後も宇宙開発事業を中止させなかったことが今の宇宙開発に繋がっていて、亡くなった乗組員たちの命を無駄にはさせたくないというNASAアメリカ合衆国政府の強い気持ちが伝わってきました。
 
その後にスペースシャトルから打ち上げられたハッブル望遠鏡などは画期的ですし、現に私は5年前にハッブル望遠鏡の撮った写真が満載の書籍、岩波新書ハッブル望遠鏡が見た宇宙』を読んで宇宙の不思議な姿に胸を踊らされていたのですからね。
 
そして、今やISS(国際宇宙ステーション)があり、そこに物資を送り宇宙での研究が進められているのですから、SF映画でよく見る宇宙基地に住むなんてことも、そう遠くない現実となるのでしょうね。
人間の営みとは凄いものだなと感じました。
 
地味なドキュメンタリー映画ですが、人間の宇宙への真摯な取り組みを描いた、いい作品でした。