リフレッシュの時間

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『第9地区』

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原題:DISTRICT 9   製作年度:2009年 製作国:アメリカ/ニュージーランド 上映時間:111分
監督:ニール・ブロンカンプ  脚本:ニール・ブロンカンプテリー・タッチェル
出演:シャールト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ、ヴァネッサ・ハイウッド
 
南アメリカ共和国のヨハネスブルクに20年前に突如現れた宇宙船。そこには瀕死状態のエイリアンが。
エイリアンを宇宙船から下ろし、食糧を与え第9地区に住まわせた。
彼らはその容姿から、人間たちからは“エビ”と呼ばれた。
無法地帯の第9地区に20年以上も住み、増え続けるエビたち。ヨハネスブルクの住民たちの不満も募り、
超国家機関のMNUは、ヨハネスブルクから遠く離れた第10地区へと彼らを移住させることにした。
 
この内容がドキュメンタリータッチで描かれ、大真面目にそのエイリアンの様子を証言する人々の様子、
シリアスな雰囲気なのに内容的にはコメディで、そのどっちに転がるのだろうと思いながら見始めました。
 
MNUエイリアン課のヴィカスは、移住の承諾のサインをエビ一人一人に取って回る担当に選ばれた。
エイリアンを見下し、エイリアンの卵を見つけるとすぐさま殺す。
意思疎通できる大人のエイリアンに対しては、表向きは丁寧な対応をしてその承諾のサインを得ようとする。
 
こういう様子がいたって真面目に描かれているのです。
 
第9地区に住み、エイリアンの作る武器を調達するギャングのような人たちもいる。
その武器の対価がなんとキャットフード。キャットフードは彼らの大好物なのです。
その様子が滑稽で思わず笑ってしまうんだけど、事態が深刻なだけに笑ってもいられません。
 
ヴィカスは、サインをもらいながら、エイリアンが持つ武器も回収していく。
その中で、怪しげな液体を見つけるのだが、それによりヴィカスの人生が大きく変わってしまう。
 
ここから先は、まだ見ていない人のために言えませんが、この映画は、意外にも面白かったです。
コメディとしてではなく、真面目に人間の傲慢さについて考えさせられます。
それぞれが自己の利益しか頭になく、それは被害者(?)であるヴィカスについても同じです。
 
たとえキャットフードが大好物で容姿が酷く不細工だったとしても、
はたまた人間でなかったとしても、それだけで馬鹿にすべき存在ではないし、見下すべきではない。
そして、人はいかに利己的で残酷であるかということを、
滑稽さを交えながら、真面目に言われた気がしました。
ということで、この映画はなかなか面白かったので、お薦めの作品です。