同じ出来事でも、見る人が変われば真実も変わる・・・?!
原題:MELINDA AND MELINDA 製作年度:2004年 製作国:アメリカ 上映時間:100分
監督:ウディ・アレン
出演:ラダ・ミチェル、クロエ・セヴィニー、アマンダ・ピート、ウィル・フェレル、
キウェテル・イジョフォー、ジョニー・リー・ミラー
監督:ウディ・アレン
出演:ラダ・ミチェル、クロエ・セヴィニー、アマンダ・ピート、ウィル・フェレル、
キウェテル・イジョフォー、ジョニー・リー・ミラー
ニューヨークのビストロで、4人の男女が会話している。彼らのうち1人は喜劇作家で、別の1人は悲劇作家。
会話のテーマは「人生とは喜劇なのか、悲劇なのか?」
喜劇作家:人生の本質は喜劇ではなく悲劇だ。人生は厳しく過酷で、笑いが欠けている。
悲劇作家:違うよ。人生が悲劇だったら君の作品より僕のほうが儲かるはずだろ。
人間は滑稽でばかげた存在なのさ。
悲劇作家:違うよ。人生が悲劇だったら君の作品より僕のほうが儲かるはずだろ。
人間は滑稽でばかげた存在なのさ。
と、彼が話し始めるのが、この映画のタイトルにある、メリンダのお話です。
この作品、着想が面白いです。
そして、そのメリンダの話の描き方もユニーク。
男性が語ったメリンダの話を、喜劇作家と悲劇作家が「これは喜劇でしょ」「いや、悲劇だ」と各々解釈し、
自らの視点で描きます。その、彼らが描いたものを、私たち観客は眺めるという展開になっています。
(余談ですが、物語中メリンダは、喜劇も悲劇も同じ俳優ラダ・ミチェルが演じているのですが、
髪型が違うだけで、ずいぶん雰囲気が違う女性で、パッと見同一人物だと思えません。髪型って重要?!)
髪型が違うだけで、ずいぶん雰囲気が違う女性で、パッと見同一人物だと思えません。髪型って重要?!)
悲劇作家と喜劇作家の視点で物語が進展し、どっちが実際のメリンダの姿なのかは、私たちにはわかりません。
ただあるのは、男性がこの劇作家たちに話したと思うであろう事実だけ。
1.メリンダは、映画関係の仕事をしている夫婦のホームパーティーに突然乱入した。
2.そのときメリンダは精神不安定で、その場で自分の苦しい過去を打ち明けた。
3.夫妻は、メリンダのためにパーティーを開き、メリンダと歯科医を引き合わせた。
4.メリンダは、歯科医とは気が合わず、ピアノに縁のある男性と出会い、恋に落ちた。
5.一方、メリンダと一つ屋根の下に住むその夫妻は、夫婦関係がうまく行っておらず、
夫婦の一方が浮気をしていた。
6.その浮気がばれて、夫婦関係はついに破綻。
そのことがメリンダを、幸せ(喜劇)へ、または失恋(悲劇)へと持っていくこととなる。
2.そのときメリンダは精神不安定で、その場で自分の苦しい過去を打ち明けた。
3.夫妻は、メリンダのためにパーティーを開き、メリンダと歯科医を引き合わせた。
4.メリンダは、歯科医とは気が合わず、ピアノに縁のある男性と出会い、恋に落ちた。
5.一方、メリンダと一つ屋根の下に住むその夫妻は、夫婦関係がうまく行っておらず、
夫婦の一方が浮気をしていた。
6.その浮気がばれて、夫婦関係はついに破綻。
そのことがメリンダを、幸せ(喜劇)へ、または失恋(悲劇)へと持っていくこととなる。
これは、私が抽出した事象を羅列しただけですが、この6つの事象から、
悲劇作家が語るのと喜劇作家が語るのでは、まるでまったく違う物語となるのです。
悲劇作家が語るのと喜劇作家が語るのでは、まるでまったく違う物語となるのです。
話自体が面白いというより、この視点は、人生にとって非常に重要だと思います。
最後に、喜劇作家が締めくくります。
「喜劇でも悲劇でも、生きているうちが華さ。人生は一度きり。死んだらおしまいさ。」
おっしゃるとおり!ウディ・アレンらしい終わり方でバンザイ。すっきり気持ちよく眠りにつけます(笑)。