リフレッシュの時間

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『ジェシー・ジェームズの暗殺』

TSUTAYAブックに「ブラピの怪演が見事!」とあったので観てみました。

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原題 : “THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD”
製作年 : 2007年  製作国 : アメリカ  上映時間 : 160分
監督 : アンドリュー・ドミニク
出演 : ブラッド・ピットケイシー・アフレックサム・シェパードメアリー=ルイーズ・パーカー
    ポール・シュナイダー、ジェレミー・レナーサム・ロックウェル

「ブラピの怪演が見事!」とのコメント、納得の作品でした。ブラピは、暗殺されるジェシー・ジェームズを演じていますが、カリスマ性のある悪党を見事に演じて切っています。
今までブラピの出演映画で見たことあるものは、“オーシャンズ”シリーズやその他諸々のアクションタイプのみだったので、よけいにブラピの演技派な一面を感じたのかもしれません。ブラピはこの映画でヴェネチア映画祭で主演男優賞を獲得しています。

ところで、ジェシー・ジェームズって、ご存知ですか?私はこの映画で初めて知りましたが、ジェシー・ジェームズとは実在した人物で、アメリカの南北戦争(1861~1865)後に、兄弟や友人達と強盗団を結成し、強盗を繰り返したり殺人を犯した犯罪者とのことです。

この当時、何人もの人を殺したこの悪名高き犯罪者を暗殺するのは、当然のことでしょうし、実際、政府から高額な懸賞金も賭けられていたので、暗殺は名誉あることでしょう。ところが、実際にはそうではなかったのです。なぜか。そのわけと事の顛末がこの映画に描かれています。

そういう意味で、この映画はなかなか考えさせられますし、面白かったです。
この作品で描かれているのは、出来事の流れと、ジェシージェシーの周りの人物の心理模様です。
ジェシー・ジェームズの非道と苦悩。ジェシーの手下の、ジェシーを敬う一方で恐れる感情。

ジェシーは頭脳明晰ですし、家族を愛しまた友人を愛そうとする心優しいところもあるのに、なぜ悪に手を染めてしまっているのか。なぜ多くの人を殺すのか。

そして、ジェシーを暗殺した人物。
彼はジェシーを尊敬し自己の中でヒーロー化させているにもかかわらず、なぜジェシーを暗殺したのか。なぜ暗殺できたのか。そして、暗殺したその後は・・・。

この映画は、そういった登場人物の心の動きの描き方も見事でしたし、俳優達の演技もよかったです。
なんといってもブラピの核心に迫ったときに目の奥がギラリと光る演技が迫力ありました。実際にあんな目をされたら完全に恐れてしまいます。
暗殺されるときのシーンもよかったです。殺されることがわかっていながら、殺されることに全く抵抗せず、ただそれを傍観しながら殺されるというのは、一体どんな心境なんでしょう。

それから、ジェシーの友人(手下)の一人であるチャーリー・フォードという人物を演じていたサム・ロックウェルという俳優もよかった。ジェシーが冗談と思えない行動を冗談として行動したときのチャーリーの振る舞いや、ただジェシーの恐怖に苛まれている様子など、この俳優は今まであんまり知りませんでしたけど、自然な演技で好感持てました。

ちなみに、その弟ロバート・フォードを演じているケイシー・アフレックという俳優ですが、ベン・アフレックの実の弟だそうです。全然似てませんね。(下の写真をご覧ください。)彼の演技もよかったと思いますが、この人物の性格が苦手で、好きになれませんでした。そう観客に思わせるということは、ケイシー・アフレックは演技がうまかったんでしょうね。

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ジェームズ一団の写真です。
上段の向かって最も右側がケイシー・アフレック、その隣がサム・ロックウェルです。


最後に、この南北戦争時代あたりのアメリカ合衆国を描いた風景、衣装、雰囲気などがとても良かったです。荒野の風景は見ごたえありますし、厳しい大自然の様子なんかもうかがえました。

これはなかなか観て損はない作品だと思います。