リフレッシュの時間

自分の思いつくままに、好きなことを書いています

『カジノ』

最近見た映画の中で、一番見ごたえあった映画といえばこれかな。
マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロのタッグでマフィアものは最高やね。
 
イメージ 1
 
原題:CASINO  製作年度:1995年 製作国:アメリカ 上映時間:179分
監督:マーティン・スコセッシ 原作:ニコラス・ピレッジ 脚本:ニコラス・ピレッジ、マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロシャロン・ストーンジョー・ペシジェームズ・ウッズドン・リックルズ
    アラン・キング、ケヴィン・ポラック、フランク・ヴィンセント、ヴィニー・ヴェラ、L・Q・ジョーンズ
 
これはラスベガスでのマフィアの話です。現在のラスベガスは、マフィアは排除されすっかりクリーンになって、もはやディズニーランド等と同様のレジャーランドとなっていますが、この映画の舞台とされている1970年代はまだマフィアがラスベガスを牛耳っていたとのこと。その実在する人物を基にした作品です。
 
その人物が、当時ラスベガスのトップで活躍していたカジノ経営者、サム・ロススティーン、通称“エース”。この人物をロバート・デ・ニーロが演じています。
 
【あらすじ】 ネタばれなし
物語は、老いた彼が車に乗り込むやその車が爆発する場面から始まります。
(これはたぶんマニアックだけど、その爆発シーンで流れる曲が、マタイ受難曲の最後の合唱「われら涙流しつつひざまずき」です。これには感動。)
 
どんな悲劇が待ちうけているのかと思いながら、時はロススティーンの若い時代に遡ります。
ロススティーンは、頭がよく回って、運など信じず、すべて計算しつくすタイプの人間。当初は順調にカジノを経営していた。そのうち財産も築き、手に入れたいものはすべて手に入れることができた。彼の財産目当てだが、シャロン・ストーン演じる金の亡者の美女ジンジャーも手に入れる。彼女からの愛は得られないままだったが、それでもロススティーンは彼女に何不自由ない生活を保障すると誓って、彼女と結婚する。
 
一方で、シカゴから昔の友人ニッキーが彼を頼って移り住み、彼のカジノの用心棒をし始める。ニッキーを演じているのは、ジョー・ペシなのですが、これまたキレるニッキーを熱演していてはまり役でした。ニッキーは短気で、人を殺すことも容赦なく行う。当初から、彼の行動で、ラスベガスでの警察との友好関係やシカゴにいるマフィアのボスたちとのバランスが壊されることを案じていたロススティーンだったが、見事に彼の予想は当たり、彼を取りまく状況は悪化していく・・・。
 
【感想】
なかなか一人の人物の一生を描いているだけなのに、ここまで濃厚な物語になるのは珍しいのではないかと思います。それはやはりラスベガスのトップまで登りつめた人物だからなのでしょうね。すべての富や権力を手に入れ、そして、それらを保持し続けていることも永遠には続かず、ささいなことが積み重なって、それらを手離さざるをえなくなる。まさに「盛者必衰」。
 
そして、それでも生き続けるロススティーンの強運にも凄いなとうなってしまいました。彼の周りの人々は、若くして殺されたりで亡くなっていましたから。特に、ジンジャーの作品途中からのアル中そして薬物中での堕落ぶりには唖然でした。「女」であることを利用して誰かれかまわず頼ってるし。こんな女性を愛してその振舞いを容認し続けるロススティーンもさすが大物です。この映画の中ではジンジャーに対して一番嫌悪感を抱きました。甲高い声でキレる短気なニッキーよりも。
 
ロバート・デ・ニーロは、いいですね。制作当時、53歳かー、もっと若く見えていました。ゴッドファーザーのときの彼が一番かっこいいけど、『カジノ』でもまだ若い時の雰囲気を残していて、敏腕経営者がさまになっています。シャロン・ストーンとデ・ニーロのカップルなんて誰もがうらやむ美男美女カップルでしたよ。今やすっかりおじいさんになっていますけど、いつからあんなに老けこんでしまったのだろう。
 
この作品は、時間のあるときにでももう一度初めから見たいですね。見れば見るほど味わい深くなりそうです。
頭脳明晰ですべてを計算して自分のコントロール下に置くことで築いたものも、ちょっとしたスキから生まれた誤差によって見事に崩壊してしまう。人生とは・・・・・・・・・、読めないものですね。