“ワルキューレ”

実際に行われたヒトラー暗殺計画“ワルキューレ作戦”を敢行する大佐をトム・クルーズが演じます。

原題：VALKYRIE　製作年度：2008年　製作国：アメリカ・ドイツ　上映時間：120分
監督：ブライアン・シンガー
出演：トム・クルーズ、ケネス・ブラナー、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソン、
　　　カリス・ファン・ハウテン、トーマス・クレッチマン、エディ・イザード

別にトム・クルーズファンでもないのですが、観たかった映画が借りられていたり、
「そういえばこの映画、少し前に随分宣伝したなぁ」と思い出したりして、借りてきました。

この映画を知らない方のために、この作品の内容をご紹介します。

時は第二次世界大戦、ナチスの統治するドイツでは、戦況が悪化していく中で
統帥ヒトラーのやり方に疑問を抱き始めた者がいた。
「人の命だけが無駄に奪われていっている。大切なのは国の平和だ・・・。」
その者の名は、シュタウフェンベルク大佐、いや、トム・クルーズ・・・。

正義に熱く燃えるトム・クルーズは、周りの将校や将軍などを説得し、
“ワルキューレ作戦”というヒトラー暗殺計画を企てた。

ワルキューレ作戦とは、ドイツ国内で反ナチス派による暴動が起きた際に、
予備軍を配置し、その鎮圧にあたらせるという特殊事態に備える行動計画。

トム・クルーズは、この作戦を逆に利用して、
ヒトラーが暗殺された非常事態に国内すべてを掌握するクーデター計画に改ざんする。

政治家や将軍との折衝を重ねながら、ヒトラーを暗殺する機会をうかがい、
1944年7月20日、ついに、暗殺の機会が到来。
トムは、ヒトラーの大本営“狼の巣”での会議に参加し、時限爆弾を設置。

そして、爆発。爆発を見届けたトムは一目散にベルリンへ旅立った。

ついに、ワルキューレ作戦が敢行された。

トム・クルーズの上官にあたるオルブリヒト将軍（ビル・ナイ）の指示のもと、
予備軍がパリを制圧、ナチス親衛隊ＳＳを捕え、事は計画通りに運んで行った・・・。

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こう書きながら振り返ってみると、このワルキューレ作戦自体は良くできていたし、
こんなクーデター計画が実際に行われたという歴史的事実があるのには、驚きました。

主人公がトム・クルーズなだけに、歴史上この作戦を実行したシュタウフェンベルク大佐の影は薄かったですが。
それを除いて考えると、この映画はその作戦の様子を忠実に再現しているのだろうと思えましたし、
特に、戦時中の通信方法、電話や電信による上官からの指示の仕方が興味深かったです。
今では考えられないですが、一般庶民の女性の方々が電信のタイピングの仕事をしていて、軍隊の上官からの指示をタイピングしているのです。そのため、重大な情報も最も先に彼女たちが目にしていました。

俳優陣では、トム・ウィルキンソンがオルブリヒト将軍の上官であるフロム将軍を演じていました。
今回は、建前ではヒトラーへの忠誠心を示しつつも、自分の権力に目がないアホな役柄を演じていました。

それより、“ラブ・アクチュアリー”で売れない変なロックシンガーを演じていたビル・ナイが
オルブリヒト将軍を演じていたのですが、非常に良かったです！
哀愁漂っていて、映画の最後にはトム・クルーズより彼のほうに同情を覚えてしまいました。

最後に、ヒトラー暗殺計画は多数あり、この“ワルキューレ作戦”が最後の最大の暗殺計画だったそうです。