リフレッシュの時間

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映画『グッバイ、レーニン!』

自分の記事を探してみたけど、ブログに記事を載せていなかったので、大変久しぶりに映画の記事を書きます。こちらは、WOWOWで観ました。二度目です。

 

ダニエル・ブリュール主演の『グッバイ、レーニン!

グッバイ、レーニン!
原題:GOOD BYE,LENIN! 製作年度:2003年度 製作国:ドイツ 上映時間:121分
監督・脚本:ヴォルフガング・ベッカー
出演者:ダニエル・ブリュールカトリーン・ザース、マリア・シモン他

 

<あらすじ>

ベルリンの壁崩壊前後の東ドイツを舞台にした親子の話です。

社会主義国家に理想を描いていたお母さんが、ベルリンの壁崩壊前に心臓発作で意識を失ってしまい、ベルリンの壁崩壊後に、奇跡的に目を覚ますが、再びショックを与えると命の危険があるとの医師の言葉から、母親思いの息子が、姉や彼女などの協力を得て、母に東ドイツが存在し続けていると思いこませる涙ぐましい努力を描いた話です。

 

<感想>(少しネタバレあり注意)

この映画、2008年あたりに観た当時の自分は若かったために、この半分コメディのストーリー展開に、社会批判とコメディ要素を強く感じて、滑稽な楽しい作品だという印象が残っていたのですが、今観てみると、結構深くて、社会主義国家や資本主義国家について考えさせられるとともに、母親の思い、子の思いに深く涙しました。

 

特に、最後の方のシーンで、ダニエル・ブリュール演じる主人公が、母親の表情を見ながら、どこか誇らしげに、自作のTVニュースを眺めている光景が頭から離れません。

母親の理想を描いた国家、社会を再現しているつもりが、自分の理想になっていってることに、本人が気づいているのかいないのか、お母さんは確実に気づいているけど、息子の表情を見ながら、気づいていないふりをしている。互いの優しさを強く感じます。

そう、社会は、人々は、そうあってほしい。主人公アレックスの信じるように、テレビや車を買いあさるのではなく、皆が勤勉で、それぞれの心の幸せを得られるように。

 

あのダニエル・ブリュールの表情が忘れられません。本当にいい俳優だと思う。

 

現代になって、この作品で描かれていた時代を振り返ると、感慨深い。モノにあふれた資本主義社会。決して、資本主義が社会主義に勝っているわけではない。

今、現実がどうなっているのか、心が満たされず、過去最も多い若者の自殺者数。

モノでは心は満たされない。

かといって、今、ロシアや中国などの社会主義国家がやっている政策は明らかに違う。

 

資本主義でも社会主義でもない、国家の在り方とは。人々の生きる道筋を、指し示してくれるものは無いのか。なんとなく、今まで生きてきて身に着けてきた価値観で生きているけど。

 

表面的なものではなく、奥深くに育まれるものを大事にしていかないと、空虚で、破滅に向かっていきそう。

 

 

ちょっと、映画の記事を書くのが久しぶりすぎて、饒舌には語れませんが、まだご覧になっていない方は、ぜひ、ご覧ください。