リフレッシュの時間

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“私がクマにキレた理由”

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原題:THE NANNY DIARIES  製作年度:2007年 製作国:アメリカ 上映時間:106分
監督:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
出演:スカーレット・ヨハンソンローラ・リニーアリシア・キーズクリス・エヴァンス
    ニコラス・リース・アート、ドナ・マーフィ、ポール・ジアマッティ

ローラ・リニーの悪役を覚悟しながら、“私がクマにキレた理由”観ました~。

【作品内容】
この作品は、ニューヨークで子守(ナニー)の仕事をしていた二人の女性が
執筆した小説“THE NANNY DIARIES”が原作となっています。

舞台は、ニューヨークのアッパーイーストサイド、高級住宅地です。スカーレットヨハンソン演じるアニーは、自分の進路に迷っているところ、ひょんなことである資産家の子守をすることになります。

この作品は、そのアニーが観察した子守(ナニー)の記録です。
その資産家夫妻を演じるのが、Mrs.Xことローラ・リニーとMr.Xことポール・ジアマッティ
その夫妻の子どもがやんちゃなグレイヤー(ニコラス・リース・アート)。

子守の大変さを描いているというより、ニュージャージー州出身のアニーから見たアッパーイーストサイドの奥様方の生活ぶりを描いているもので、興味深かったです。

Mrs.Xは専業主婦にも関わらず、スパやらセミナーやら何かと用事が多く、子どものことは子守に任せっきり。
しかし、決して放任主義というわけではなく、細かいルールをたくさん作って子守に守らせます。

そのルールが、「添加物の入っているものは食べさせない」とか「地下鉄は汚いから乗ってはいけない」とか「フランス語を週3で学ばせろ」「フランス料理を食べさせろ」「夜ぐっすり眠れるように疲れさせろ」といったもので、ルールを守ることだけでもかなり重労働。

そんな生活の中で、振り回されながらも子守のアニーは必死でその要求に応えようと努めます。同時に、お金もあり満たされているはずの彼女たちの不幸せそうな様子を眺めながら、自分の進むべき道を見つけていくという話でした。



映画で描かれているイーストサイドのお金持ちの方々は大変豪華な暮らしで、ファッションもオシャレだし、なんでもかっこよくきまってるし、演じているローラ・リニーもかっこよかったです。

驚いたのは、「ウェストサイドなんて絶対行ってはダメ!」と言っていたことです。
ウェストサイドと言えばミュージカルの『ウェストサイドストーリー』が思い浮かびますが、
イーストサイドからそんなふうに見られていたなんて初めて知りました。

以前ニューヨークに観光に行ったときに、随分ベビーシッターが多い街だとは思っていましたが、それは女性も働いていて忙しいからだと思っていました。専業主婦の方々もベビーシッターを雇ってるんですね。この点だけは、日本と全く違いますよね。私の前の職場にもベビーシッターを雇っている上司がいましたが、それはその奥さんが外資系企業に勤めていて忙しく、子どもの面倒を見れないからでした。このケースでも日本ではまだ珍しいほうだと思います。

映画では、そのイーストサイドの家族の特徴を、結婚し子どもが生まれると、夫は家からは一定の距離を保つようになり、妻は、子どもをナニ―に預けて、自分の肉体改造に精を出す、とのことでした。

このMr.X夫妻の場合も、夫は愛人をよそで作って家にはほとんど帰ってこず、奥さんのMrs.Xがそれにイライラしたりして情緒不安定になっていました。
何より一番かわいそうだったのは子どもです。父親からも遊んでもらえず、母親も怖い顔ばかりで、おまけに子守もすぐに解雇されるため、結局いつも一人ぼっちでした。アニーが辞めさせられた時も「一人にしないで。」と叫んでいてかわいそうだった。

とはいえ、奥さんもかわいそうだった。夫が帰ってこないのもかわいそうだけど、資産家仲間の人たちからの目ばかり気にしなければいけない世界で、物は溢れているのに、非常に窮屈そうな生活でした。
こんな世界に住んでいたら、誰だって眉間にしわが寄ってくると思う。



俳優は、スカーレットの友達役のアリシア・キーズがとても良かった。
アリシア・キーズは、音楽は以前から聴いていましたが、俳優業で見たのはたぶん初めてです。
演技もうまいし、何よりものすごい美人で声も低く渋くてかっこよかったです。