リフレッシュの時間

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“セント・オブ・ウーマン/夢の香り”

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原題:SCENT OF A WOMAN  製作年度:1992年 製作国:アメリカ 上映時間:157分
監督:マーティン・ブレスト
出演:アル・パチーノクリス・オドネルジェームズ・レブホーン、ガブリエル・アンウォー
    フィリップ・S・ホフマン、リチャード・ヴェンチャー、サリー・マーフィ、ブラッドリー・ウィットフォード
    ロシェル・オリヴァー

【作品内容】
名門校の寄宿生チャーリー(クリス・オドネル)は、オレゴン州出身の奨学生。
高校の大半を占める富裕層の学生たちとは違い、クリスマスに帰省するお金もなく、
感謝祭の休暇はアルバイトをすることにした。
そのアルバイトは、盲目の元軍人の身の回りのお世話をすること。

アル・パチーノ演じるこの盲目の元軍人・中佐は、感謝祭の休暇中ある計画を実行する。
彼の計画とは、「盲導犬」としてチャーリーを連れてニューヨークに行き、
食事に豪華なホテルに美しい女性に、思う存分人生の楽しみを味わった後、
「頭を撃ち抜く」というものだった・・・。



感動的な話でした。

チャーリーだけでなく周りの皆に悪態ばかりつく一見嫌な人間に見える中佐でしたが、
チャーリーはその表面的な性格だけを見て嫌がるのではなく、その人物の本質をじっと眺めていて、
そんな彼の姿勢が中佐に伝わったのか、中佐も徐々にチャーリーに心を開き始めます。

中佐は、普段は陰湿で、威圧的で、人の気持ちを踏みにじるような発言をしている一方で、
陽気な時は妙にテンションが高くて、いつも大げさなリアクションで、おまけに冗談も頻繁に飛ばしていましたが、
その様子からその裏に秘められた中佐の苦悩が伝わってきました。
特にタンゴのシーンでは彼のタンゴと音楽が彼の激動の人生に重なって見えて、とても感動します。

中佐の計画の真の目的である、頭を銃で撃とうとするシーンも非常に見ごたえがありました。
「生きていても意味がない!」「暗闇しかないんだよ」という中佐の訴えがストレートに胸に突き刺さってきて、それを懸命に止めようとするチャーリーの勇気も感動ものでした。

視力を失い、人々の役にも立てず、ただ社会のお荷物になっているだけのように思える自分に、
まだ社会にも出ていない何も知らない若い青年が、自分の命を投げ打ってまでして
生き続けることを訴える姿に、中佐は胸を打たれ、同時に救われたんだと思います。
観ている私も、どこか救われた気がしました。

アル・パチーノは名演技です。本当に盲目の人のようでした。
映画の題は、彼が盲目ゆえに、女性の存在を香水の香りで感じ取ったりその個性を感じたりしていたからです。
この中佐は大変情熱的でロマンティックな人ですね。
とてもいい映画でした。