実に、半年以上ぶりに、美術展に行ってまいりました。
もはや、意を決して、というか、感染対策をすれば、もういいんじゃないかという半分怒りも混じった思いで、行くことにしました。というのも、外出自粛をし続けても減少傾向さえ無い日々の感染者数。毎日が無味乾燥にも感じられて、コロナ前に趣味は何をしていたか思い出したら、美術展だと思い出しました。
そこで、安定の東博、こと、東京国立博物館での特別展を選びました。きもの展。
やはり、予想どおり、良かったです。
言葉では言い表せないほどのセンスの良さを感じます。
以前から琳派展などでも尾形光琳はひときわ輝いていたけれど、きもの展でも登場するとは。
こちらは、作者は記載が無かったですが、東京国立博物館所蔵の重要文化財とのことです。金の波しぶきが刺繍で、大きな波は鹿の子絞りです。こんな大胆な構図で、こんなに細部まで粋な計らいを施した着物、感嘆してしまうほどでした。おしどりも生き生きしています。
これもまた、竹の上に載っている雪がすべて真っ白な糸の刺繍ですが、雪のこんもり感が立体的で、芸術作品ですね。大河ドラマにもなった篤姫所有のものだったそうです。
その他にも、色々と面白い発見がありました。江戸時代、江戸の町を何度も襲った火事を消す、「火消し」(今でいう消防士)たちの火消しの時に着る着物が、何とも粋な、背中に様々な絵が描かれたものばかりでした。
江戸時代の町衆たちが、着物のおしゃれにばかりこだわっているので、お上から「おしゃれ禁止令」なるものが出されていたこともあったそうです。
改めて、日本美術の美に触れられて、感覚が研ぎ澄まされたような気がしました。
琳派についても、もう一度振り返ってみようと思います。