リフレッシュの時間

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“キング 罪の王”

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原題:THE KING  製作年度:2005年 製作国:アメリカ 上映時間:105分
監督:ジェームズ・マーシュ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナルウィリアム・ハート、ペル・ジェームズ、ローラ・ハリングポール・ダノ

“キング 罪の王”を観ました。

イメージ 2ガエル・ガルシア・ベルナル主演です。
ガエル・ガルシア・ベルナルは、今まで出演していた作品のどの役柄とも全く雰囲気の違った面を見せています。
他、ウィリアム・ハートなども出ていました。

非常にテーマが重い作品です。
考えさせられます。(観終わって1時間くらい経った今でもまだ考えています・・・。)

あらすじを簡単に言うと、
ガエル・ガルシア・ベルナル演じるエルビスは、私生児で、すでに母親もこの世にいない。
海軍を退役して、会ったことのない実の父親(ウィリアム・ハート)に会いに行く。
感動の再会を果たすはずが、父親である牧師デビッドは、母親の名前をすぐに思い出せないばかりか、
自分の子であるエルビスを冷たくあしらい「二度と来るな。家族に一切近づくな!」と強硬な態度で脅す。
そのショックは、計り知れない悲しみ・悔しさだろうと思うのだが、エルビスは淡々とそれを受け入れ、
そして、また淡々とその牧師への復讐を実行していくという内容です。。

この作品中、エルビスの表情は無表情が多い。
エルビスの母親もすでに亡くなっており、血がつながっているのは父である牧師とその家族のみであるのに、
自分の異母兄弟にあたる、マレリーに近づいたり、マレリーの兄であるポール(なんと、こないだ観た“リトル・ミス・サンシャイン”に出てたポール・ダノが演じている。)を殺したり、
血も涙もないのか、と思う復讐劇だが、不思議とエルビスに対する怒りはあまり生じない。

というより、エルビスの真意が読めない・・・。
無表情すぎて、家庭への憧れで牧師家族に近づいているのか、すべては単なる復讐なのか。
ポールの母の悲しみを癒すためにか、牧師家族の家の花壇にせっせと花を植えている姿は、エルビスの見せる優しさに感じ取られたのだが、はたしてどうなのだろう。

それより、父親である牧師が、偽善と思える説教を毎週日曜日に行っていて、しまいには、自分の罪を公の場で懺悔して見せたりして、そのほうがむしろ身勝手さを感じて、腹立たしく感じてしまう。

そして、エルビスは、散々キリスト教でタブーである罪を犯したあげく、
最後に、父親の元へ行き、

「懺悔して天国へ」

と言って、この作品は終わるのだが、この最後の言葉が、この牧師、はたまたキリスト教自体を
強烈に批判しているように感じられて、
後味はあまりよくないものの、非常に深く考えさせられてしまう・・・。

懺悔さえすれば、何しても許されるのか?!天国に行けるのか?!

うーーーーーん、なかなか難しいテーマです・・・。


でも、こういう重いけど実のあるテーマ、個人的には好きです。
全体的に暗い内容とは言え、カメラアングルとかも興味深く、私にとっては意義深い作品でした!!
たまにはこんな真面目な作品いいですね。