リフレッシュの時間

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『インサイド・マン』

銀行強盗の映画と聞いて、よくある銀行強盗のアクションとそれに立ち向かう警察との攻防戦を描いたものだと思っていました。確かに攻防戦と言えば攻防戦なんだけど、普通の銀行強盗とは全く違っていて楽しめました。
 
 
 
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原題:INSIDE MAN  製作年度:2006年 製作国:アメリカ 上映時間:128分
監督:スパイク・リー   
出演:デンゼル・ワシントンクライヴ・オーウェンジョディ・フォスタークリストファー・プラマー
    ウィレム・デフォーキウェテル・イジョフォー
 
ネタばれあり
この映画の面白かったところは、強盗犯の映画冒頭の告白通り銀行強盗が「完全犯罪」であり、強盗犯がお金以上に重要なものを盗む気であること、人質を殺す気のないこと、最後まで自分の正義を貫き通すこと、そして最後に自分を捕らえようとしていた刑事にウィットに富んだジョークを飛ばしていることだ。
 
知能犯である強盗犯の主犯格、クライヴ・オーウェン。それを追いこみ、自分のこれまでの不名誉を挽回しようとしている刑事のデンゼル・ワシントン。強盗に狙われた信託銀行の会長であり、世間には隠し通さなければいけない暗闇を持ったクリストファー・プラマー。その会長から重大な秘密を隠し通すよう依頼された敏腕弁護士、ジョディ・フォスター
 
よくできた映画だった。何度見ても楽しめると思う。細部までよく作りこまれている作品・脚本を見ると、心地いい。
各登場人物の、正義感や人生観、哲学、それらを眺めながら彼らの行動や心理模様を見てみるのも楽しそうだ。
 
この映画を見て、以前見た映画『スモーク』を思い出した。あの映画もウィットに富んだいい作品だった。
この映画も、『スモーク』を見た後と同じような心地いい後味がある。言葉ではうまく説明できないけど、なんとなく幸せなようなほどよい満足感。最後に映し出される刑事デンゼル・ワシントンの微笑みがそれをよく表している。
 
スパイク・リー監督の作品はまだあんまり見たことがないけど、これを機に見てみると面白そうだ。雰囲気がいいね。
 
この『インサイド・マン』の登場人物で、個人的に最も気に入らない人物は誰だろう。
若きころにモラルに反してたった一度だけ悪魔に魂を売ったことにより現在の地位と資産を手に入れた信託銀行の会長か。多額の報酬を得るために、真実を闇に葬ろうとする金の亡者のような敏腕弁護士か。数多くの市民を恐怖に陥れて一攫千金を狙った強盗犯か。市長と取引して自分の昇進と名誉を得た刑事か。
 
もう一度初めから映画を見てみたいと思わせる良作だった。