リフレッシュの時間

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『タクシードライバー』

名作と言われているようだし、結構頻繁に見掛けるので、思い立って見ました。
 
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原題:TAXI DRIVER  製作年度:1976年 製作国:アメリカ 上映時間:114分
監督:マーティン・スコセッシ  脚本:ポール・シュレイダー
出演:ロバート・デ・ニーロシビル・シェパードピーター・ボイルジョディ・フォスター
 
【あらすじ】  ネタばれなし
26歳の青年トラビスロバート・デ・ニーロは、ニューヨークのタクシードライバーとして働き始めた。
当時のニューヨークにはあふれんばかりの、売春婦、麻薬密売人、浮浪者などがいて、彼はタクシーを運転し、この街のすみずみを眺めながら、「この汚い街を雨が洗い流して、きれいにしてほしい」と思っている。
 
選挙事務所で働く美人な女性に恋をした時もあった。
タクシーの運転席から彼女を見つめ、彼女もまた彼の姿に気づいた。二人は接近するが、やがて離れる・・・。
 
あるとき、売春婦の格好をした、しかし、まだ少女のような年齢の女の子ジョディ・フォスターがタクシーに乗りかけたが、男にタクシーから無理やり引きずり降ろされ、「なんでもない」と20ドル札が助手席に投げ入れられた。
 
そんな日常の様々な出来事を眺めながら、彼はこの街にはびこる悪を一掃したいという衝動に駆られ始める。
彼は、ドライバー仲間のつてで不法に銃を4丁入手し、体を鍛え始めた。そして、ある計画を立てる・・・。
 


【感想】  以下、若干ネタばれあり
渋いです。私にはまだ見るのが早かったかもしれません。雰囲気は掴めても、主人公の心理について完全にはわかりきれない部分がありました。
でも、かなりインパクトの強い作品でした。特に、彼が宿に乗りこんでいった後の場面、警察が来た時の彼のしぐさ、表情なんかは非常に強烈な印象を残しました。あの、血まみれの手で銃を撃つしぐさをする場面とか。
 
彼の心理について明確には語っていないのは制作者側の意図なんでしょうか。
丁寧に登場人物の心理描写をしてくれる映画に慣れていたためか、わからない部分があったんだと思います。
 
実際、主人公トラビスがドライバーの先輩に相談を持ちかけるときも、随分ぼやっとした内容で、その先輩も「御前が何を言いたいのか分からないよ」「うん、俺自身もよく分からないのさ」といった旨の会話をしているので、主人公自身も、自分が立ち向かおうとしていることが漠然とは分かっていても、具体的には見つけられていなかったんでしょうね。
 
彼は、精神的に不安定になっていったのだと思います。思いを寄せていた人にも一方的に冷たく無視されるようになり、誰も友人もいないこの大都会で、彼が「ゴミ」と呼ぶ悪ばかりが目につくようになり・・・。
次期大統領候補を殺すか、少女に売春させるポン引きを殺すか・・・。彼はどっちにも揺れていたのでしょう。
 
私としては、恋焦がれていた女性の心が再び、トラビスに近寄ってきたときのトラビスの態度がよかったです。
あれが仮に彼もふらっとしていたらげんなりしそうですけど、あの振舞いは、決して冷たくないし、でも親しげな感じでもないし、好感持てました。
ただ、まだ仲が悪くなる前のデートで彼女をポルノ映画に連れていくなどの行動は全く意味不明でしたが・・・。
 
なんにせよ、もしかしたら、この雰囲気がいいのかもしれませんね、作品が物事を語りすぎない感じが。
それと、なんというか、社会に常に存在する不平等だったり差別だったりすべてをひっくるめた「現実」の描き方かな。そこに生きる人々とか。
 
うーん・・・、もう少し経験値が高くなったときにまたこの映画を見たいと思います!