リフレッシュの時間

自分の思いつくままに、好きなことを書いています

『パブリック・エネミーズ』

イメージ 1
 
原題:PUBLIC ENEMIES  製作年度:2009年 製作国:アメリカ 上映時間:141分
監督:マイケル・マン  脚本:ロナン・ベネット、アン・ビダーマン、マイケル・マン
出演:ジョニー・デップクリスチャン・ベイルマリオン・コティヤールビリー・クラダップ
    スティーヴン・ドーフスティーヴン・ラング、ジェームズ・ルッソ、デヴィッド・ウェンハム
 
PUBLIC ENEMY”とは、1930年代初めのアメリカで人気だった銀行強盗、ジョン・デリンジャーのことである。
 
ジョニー・デップが演じるジョン・デリンジャーは、仮釈放されるなり、刑務所でできた友人の脱獄を助け、
当時、世界恐慌下にあり禁酒法が施行されていたアメリカで、銀行強盗を行い、大金を稼いでいた。
と言っても、彼は決して人を殺したりすることはなく、また、庶民のお金を盗むこともなかった。
銀行のお金だけをターゲットにし、わずか1分40秒の間でいくつもの銀行強盗を繰り返した。
 
彼は、一つの地にとどまらず、州をまたいで銀行強盗を行ったが、
そのジョン・デリンジャーを、捕えようと懸命になっていたのが、FBI捜査官メルヴィン・パーヴィスだった。
決して人殺しはしない銀行強盗を、「社会で一番の敵」極悪人としてFBIは全力をかけて捜査を行う。
一方で、彼のセリフ一つが大々的に報道されるなど、一般大衆には彼は英雄並みの人気があった。
 
彼の州をまたいだ犯罪により、警察の捜査について連邦法が成立し、全国レベルでの犯罪捜査が可能となる。
大衆から注目を浴び、FBIの格好の的となったデリンジャーは、徐々に、窮地に追いつめられてゆく・・・。
 


この映画は、ジョン・デリンジャーの仮釈放から死亡までを追った伝記的作品です。
ジョン・デリンジャーを追い続けるFBI捜査官パーヴィスを、『バットマン』クリスチャン・ベイルが演じています。
 
犯罪者なのに大衆から絶大な人気を誇る歴史的人物、そんな映画、前にも見たなぁと思いながら観ましたが、
それは『ジェシー・ジェームズの暗殺』でした。ジェシー・ジェームズは、南北戦争後の犯罪者です。
あの映画のほうがずっと良くできていて面白かったなぁ・・・。あっちのほうが人間の心理描写が深かったです。
この映画は、銃でバンバン撃ってそれなりに見応えはあったとは思うけど、途中で息切れしました。
 
伝記映画と割り切ればよいのかもしれません。
デリンジャーが始めたと言われる、銀行の出入り口から車に乗るまでの距離を人質を盾にして移動する手法など、1分40秒の華麗なる銀行強盗の様子など、ああいうのを目で見て知る分には面白いのかも。
なにより、圧倒的人気があったというデリンジャーよりFBI捜査官パーヴィスの方がかっこよく見えたのはなぜ?
冷静沈着に対応し、敵を着実に追い詰めていました。
 
デリンジャーは、貧困層の生まれで、21歳のときのほんのわずかな金銭を奪おうとして捕まり、実刑に処され、
8年間服役したのちの仮釈放後に犯した銀行強盗で、仮釈放後わずか1年でFBIに殺されます。
たった1年です。その1年の間に、FBIが全力かけて捜査するほどの罪を犯したのだろうか。
FBIとしては、人気者のデリンジャーを早く始末し、デリンジャーの影響を受けた民衆たちが国家に立ち向かってくるのを防ぐことが重要だったんでしょうね。