リフレッシュの時間

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『ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女』

前からアルフレッド・ヒッチコックの映画はたびたび見ていましたが、この映画は実話をもとにそのヒッチコックと、『鳥』の主演女優ティッピ・ヘドレンとの確執を描いた作品です。
 
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原題:THE GIRL  製作年度:2012年 製作国:イギリス・南アフリカアメリカ 上映時間:92分
監督:ジュリアン・ジャロルド
出演: シエナ・ミラートビー・ジョーンズイメルダ・スタウントンコンラッド・ケンプ、ペネロープ・ウィルトン
 
この映画だけ見ると、ヒッチコックってなんか気持ちの悪い人だなという印象を受けました。ただ、自分のイメージどおりの映画作品を創り上げるという、妥協を許さないその執念は人並み外れたものを感じました。
 
『鳥』という映画は数年前に見たことがありましたが、随分怖い映画でした。数千羽もの鳥が人を襲ってくるのですが、それが息を飲む迫力で、実際の鳥を使ったと何かで読んで納得しました。昔の映画でもこんなに迫力ある撮影があるのだと、その時は感心したのですが、この作品の撮影背景では、この主演女優ティッピとヒッチコックとの間に、この『ザ・ガール・・・』で描かれているようなやり取りや確執が生まれていたのは全く知りませんでした。
 
ティッピが『鳥』の次に主演を演じたヒッチコック映画『マーニー』もつい最近見ました。でもこの『マーニー』は、私にとっては全く面白くなくて、同じサスペンスでも『鳥』のような鬼気迫るスリラーとは違い、じんわり訴えかけてくるような精神的サスペンスで、ストーリーも説得力の欠けるものでした。
映画のタイトルになっているマーニーという女性が、外見の美しさとは裏腹の薄汚い性根が、醜い印象を受けて、その醜い女性を無条件でひたすら救おうとするイケメン男のショーン・コネリーの心情も理解できず、後味のよくない作品でした。
 
でもこの『ザ・ガール・・・』を見て、なにか納得しました。マーニーは、ヒッチコックから見たティッピを投影していたのかもしれません。本当は自分を受け入れてほしかったのに、頑なに拒絶されつづけ、ティッピを呪おうにもその美貌に酔いしれていて支配欲がかきたてる。監督して名誉も権力も手に入れたけど、最も欲しい愛する女からの愛は得られない。そりゃあなんでも許されるわけではないでしょう。こればかりはティッピの強い意志に感服です。
 
 
ところで、ヒッチコックの映画で最近『裏窓』を観たのですが、そこに登場するヒロインがあまりに美しく見とれてしまい、あとから調べてみたら、彼女がかの有名なグレース・ケリーだったのですね。モナコ公国の妃となったのものうなづける気品ある美しさですね。そんじょそこらの女優とはかけ離れた美しさでした。
今まで、ニコール・キッドマンや他にも美人だと思う女優は何人も見てきましたし、この『ザ・ガール・・・』のティッピを演じたシエナ・ミラーだって随分きれいな人だと思ったけど、グレース・ケリーの内面からにじみ出る美しさにはかなわないですね!こんなに美しい人見たことなかったです。