会期終了間近の「モダン・アート、アメリカン」展に行ってまいりました。
正直、アメリカのモダンアートはほぼ無知です。アメリカ人で知っている画家の名前を挙げろと言われても、なかなか出てこない・・・グランマ・モーゼス、アンドリュー・ワイエス・・・。今少し調べてみて、やっとメアリー・カサットがアメリカ人の印象派だったことを確認。それぐらいアメリカのアートはわからないのですが、そんな私でもこの美術展はなかなか楽しめました。
というのは、アメリカンアートの初心者にも親しみやすく感じられるような工夫がしてあったからというのもあると思います。美術展の入口に「手紙」があって、美術展を歩きながらその「手紙」を読み進めると、その「手紙」を書いた人物のアメリカ国内の旅に合わせて作品を楽しみながら鑑賞することができるようになっていました。
これは結構よかった・・・♪ 実際、自分が手紙をもらったようで楽しかったですしね。
展示は、10章に分かれていました。出展されていた作品はすべてフィリップス・コレクションからのものです。
ここからは、私が個人的に素敵だなと思った作品をご紹介します。
モーリス・ブレンダーガスト
『パッリア橋』 1898‐99年、1922年完成
油彩/カンヴァス
これは、第2章の印象派の章にあった作品です。
モーリス・ブレンダーガスト作で『ファンタジー』という作品もありましたが、これも壁画のようなタッチで面白い作品でした。
次はこの作品。
ジョン・スローン
『冬の6時』 1912年
油彩/カンヴァス
実物は、もっと空の青が濃紺に見えたのですけどねぇ。
この空に浮かんでいるかのような列車がまるで銀河鉄道のようだし、その一方で駅の周りにいる人のごみごみ感がまるで東京・新橋のように感じられて、なにか幻想と現実が一体化しているような作品に感じられました。
まさにラッシュアワーの様子。
エドワード・ブルース 『パワー』 1933年 油彩/カンヴァス
今回の美術展の中で私の中での一番のヒットはこの作品でした。
実物は、もっとグレーの雲の下の薄いオレンジ色が淡いサーモンピンクで暖かい色で、しかも雲との境界線がもっとぼんやりしているように感じられました。差し込む光がそれは美しくて、本当に都会にパワーが降り注がれているような、そんな作品でした。この作品はよかったですよ~。光の描き方が本当に素敵でした。ポストカードは再現できていませんけどね・・・(残念)。
チャールズ・シーラー 『摩天楼』 1922年 油彩/カンヴァス
これも面白かったと思います。まるで幾何学かのような風景ですが、これがニューヨークの摩天楼の姿なんですからねぇ。色の感じも平面的な塗り方も、かっこよく感じられました。「手紙」にはこの絵のもととなった写真が載せられていて、その写真がほとんどこの絵そのままだったので、ちょっと変えるだけでこんなに四角く、おもちゃのように見えるのだから、絵は面白いなと思いました。
他にも面白い作品は色々ありましたよ。グランマ・モーゼスも来ていました。sarahさんのお好きだと言っていたマーク・ロスコの作品も来ていました。抽象表現主義では、私は、ジョゼフ・アルバースの『正方形へのオマージュ:テンプラーノ』という作品が面白かったかな。
モダン・アート、アメリカン展の公式HPにも色々と作品が紹介されているので、ご覧になってみてください。
アメリカンアートもなかなか面白いですね!