原題:THE OTHER MAN 製作年度:2008年 製作国:アメリカ、イギリス 上映時間:87分
監督:リチャード・エアー 原作:ベルンハルト・シュリンク 脚本:リチャード・エアー、チャールズ・ウッド
出演:リーアム・ニーソン、アントニオ・バンデラス、ローラ・リニー、ロモーラ・ガライ、パム・フェリス
これは面白かったです。やっぱり俳優がいいと、多少脚本が甘かったとしてもそれをカバーして面白い作品になるのだなぁ。リーアム・ニーソン&ローラ・リニー万歳。アントニオ・バンデラスも胡散臭い雰囲気がよかったよ。
【あらすじ】 ネタばれなし
ピーター(リーアム・ニーソン)は、靴のデザイナーで妻のリサ(ローラ・リニー)が置いていった携帯電話に、一件の伝言が残されていることに気づく。その伝言を聞いたピーターは、彼女に愛人がいることを悟り、すぐさま彼女のPCを開く。そこには“LOVE”というタイトルで、パスワードでロックのかかったファイルが・・・。そのロックを解除しようと試行錯誤しているうちに、メールボックスの新着メールに、“Ralph”という男からの熱い愛の言葉が重ねられたメールを発見する。
ピーターは居ても立ってもいられず、リサの出張先のミラノへと向かう・・・。
【感想】
このRalph(発音は、レイフ)という男がアントニオ・バンデラスなんですが、彼はチェスの世界王者とのことで、毎朝カフェにチェスをしに行きます。その姿は背広をかっこよく着ていかにも金持ちオーラなんですが・・・、しかし彼の本当の姿は、全く別のもの。スペイン語訛りの英語の(たぶん)独特の喋り方と家での服装が、胡散臭いオーラを絶妙に醸し出していました。子亀のシーンなんてサイコーだった。レイフ、胡散臭いけどいいやつやわー。亀をかわいがる人に悪い人間はいない!(と思う。)
自分の知らない妻の姿を想像して嫉妬に駆られ、怒りにも似た表情で激昂するピーターを、さすがリーアム・ニーソン、迫真の演技で見せてくれていました。妻を愛してやまないリーアム・ニーソンをこれほどまでに狂わせるリサの罪は重いですね・・・。夫婦のことだから、二人の間に何があったのかはわかりませんが。
それにしても、リサはなんで最愛の夫を最後まで騙し続けるのではなく、敢えて気づかれてもおかしくないような行動に出たのだろう・・・。レイフに伝えたかったからか。ピーターに真実を伝えたかったのか。それとも、そこまで考えず、ただ純粋にピーターの質問に答えただけなのか。
そのあたりは謎の残るところだけど、そもそも人の感情を論理的に解明しようなんて無理なのだから、これはあいまいのままでいいかな。
最後の終わり方は、よかったな。ピーターはレイフの純真な心に触れて、気持ちの変化があったようだし、困難を乗り越えることができたのだと思う。胡散臭いレイフも幸せそうだったし、これはハッピーエンドでしょう。
私としては、レイフのキャラが一番気に入ったし面白かった。アントニオ・バンデラスって、長身のリーアム・ニーソンと並ぶと案外小さいし、小物っぽく見えました。今回はそんな役でそんな演技だからだろうけど、こんなキャラもできるんだな、『レジェンド・オブ・ゾロ』や『ポアゾン』等のかっこいい系ラテン男のイメージしかなかったです。