リフレッシュの時間

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『ココ・シャネル』

ココ・シャネルの伝記映画。第二次世界大戦後のココ・シャネルをシャーリー・マクレーンが演じています。
 
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原題:COCO CHANEL  製作年度:2008年 製作国:アメリカ、フランス、イタリア 上映時間:138分
監督:クリスチャン・デュゲイ 脚本:エンリコ・メディオーリ
出演:シャーリー・マクレーン、バルボラ・ボブローヴァ、マルコム・マクダウェル、サガモア・ステヴナン、
    オリヴィエ・シトリュク
 
【感想】 
シャーリー・マクレーンが主演ということだったので、てっきり晩年のココ・シャネルにスポットを当てた作品かと思いました。実際には、晩年から若き日々に思いを馳せるという形式で、若いシャネルはもちろん別の女優(バルボラ・ボブローヴァ)が演じています。その女優とシャーリー・マクレーンの登場比率は、6:4ぐらいに感じました。
 
とはいえ、シャーリー・マクレーンは、晩年のココ・シャネルをうまく演じていたのだろうと思います。ちょっと猫背で、プカプカ煙草を吸いながら「本当に私はもう過去の人なの?」と長年の友人に言う姿は、事を成し遂げてきたカリスマ性を持つ人物ならではの風格を漂わせていました。
 
若き日のココ・シャネルもよかったですね。バルボラ・ボブローヴァという女優ですが、初め貧しいお針子から、独自の才能を開花させ自信を持っていく姿を好演していました。彼女はフランス人の女優なのかな、英語もフランス語訛りだったような。あれはわざと訛らせていたのかな、そもそもパリでのフランス人の話だし。
と、今バルボラ・ボブローヴァについて調べてみたら、スロバキア人の女優でした。
 
前回見たシャネルの伝記作品(『シャネル&ストラヴィンスキー』)は、ストラヴィンスキーとの恋愛にのみ焦点を当てたものでしたが、今回のものは、恋愛よりもシャネル自身の才能やシャネルブランドを作っていく過程(初め、パリのお針子→将校の彼女となり帽子作り始める→パリで帽子のお店開く→女性に着やすいジャージー素材の服を作る→香水→・・・)が丁寧に描かれていたので勉強になりましたし、面白かったです。
 
それに、若き日のシャネルの場面で、シャネルとその友人が着ている服装がどれもオシャレでした。ジャージー素材のゆったり感でも品があって、現在でも十分オシャレに見えるものばかりでした。彼女たちが海辺で着ていた、ニットのカーディガンが素敵で、気になって仕方なかったです。
こうした、シャネルが作った女性にとって動きやすい服が、男社会での女性の立場を向上させたというのは言いすぎかもしれませんが、そういう面はあるのでしょうね。「電話交換手の女性たちがあなたとこの服を着ている」とかつての服飾界の大御所が文句を言いに来た場面もありましたし。
 
こうして見ると、シャネルは女性への立場向上に一役買った人物のようです。男と対等に立ちたいという独立心旺盛な男っぽい彼女ですが、前回見た作品では色んな男に手を出す自由奔放な恋愛観の持ち主で女っぽい一面を持ち合わせているように思えます。その両方がココ・シャネルの実際の姿なんでしょうね。
 
ということで、この映画は、フランス人なのにすべて英語なのには若干違和感が生じますが、その点を除けば、分かりやすくためになる伝記作品です。