リフレッシュの時間

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『グッドフェローズ』

マーティン・スコセッシ監督の名作といわれる『グッドフェローズ』を見ました。
 
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原題:GOODFELLAS  製作年度:1990年 製作国:アメリカ 上映時間:145分
監督・脚本:マーティン・スコセッシ
出演:レイ・リオッタロバート・デ・ニーロジョー・ペシ、ロレイン・ブラッコ、ポール・ソルヴィノ
    クリストファー・セロン、ジュリー・ガーフィールドサミュエル・L・ジャクソン
    フランク・シヴェロ、マイク・スター、フランク・ヴィンセントジーナ・マストロジアコモ
 
【あらすじ】  実話を基にした話です。
子どもの頃からの憧れであるマフィアの世界に足を踏み入れた、アイルランド系移民の子ヘンリーレイ・リオッタの半生を辿った話です。
 
ヘンリーと共に組んで「仕事」をしたのは、同じアイルランド系の先輩ジミーロバート・デ・ニーロと、イタリア系で同じ年頃のトミージョー・ペシ。ジミーは強盗の達人で、トミーはキレやすく簡単に殺人を犯す。ヘンリーは、口も堅く周りからの信頼も厚い。3人は良いチームワークで大きな「ヤマ」もこなし、大金を手に入れていく。
 
ファミリーのボスであるポーリーから麻薬には一切手を出すなと固く約束させられていたヘンリーだったが、次から次へとカネを生み出す麻薬取引で荒稼ぎし始める。バレたら殺される・・・そんなリスクを冒しても彼はこの「仕事」はやめなかった。そして、自身もコカインに溺れていく・・・。そこへ、ある日のこと、FBIが自分を嗅ぎつけていることに気づく。
 


【感想】
ヘンリーの憧れていた世界って、生と死が紙一重のスリリングな世界のことなのかな。
「生きるってそういうことだ!」そう彼は子どもの頃から思い描いていたのだろうか。
 
仲間と談笑している時のヘンリーの笑い声が、高く鳴り響く声で、笑みも不健全な雰囲気に感じた。トミーやジミーが無残に人を殺す様子も衝撃的だったし、何よりキレやすいトミーが怖かった。まだ若い青年のウェイターに難癖つけて、挙句の果てに「踊れ、踊れ」と彼の足を撃つわ、しまいにはあっけなく殺すし、トミーは最低最悪な人物に思えた。彼のおしゃべりも癪に障るし、それを仲間の連中が大げさに笑ってる光景も嫌な感じでした。
 
華やかで煌びやかな楽しい生活をしていたのに、仲間の死が増えるにつれて精神も徐々に不安定になっていくヘンリーの様子がリアルでした。事あるごとに「大丈夫か?」と深刻に、青白い顔になっていくヘンリーに対し、「FBIなんてたいしたことない」「気にするなよ」と軽く言いのけるジミーやトミー。次第にヘンリーは、FBIだけでなく、自分の属するマフィア組織から「バラされる」ことへの恐怖も募っていきます。
 
「自分が最も助けてほしい時に、手を差し伸べてくるその相手が、何の前触れもなく突然、自分を殺す。」
ヘンリーは、今まで見てきた、ジミーを初めマフィア一派の手口を、今や自分に向けられたものと考え始める。
 
その後、彼は、FBIに捕まるや否や、自分の犯した罪の刑罰と引き換えに仲間を売る証言をする取引をする。裁判所で、ジミーらの目の前で彼らの罪を堂々と暴くヘンリーの様子が、彼がまだほんの若かった時に裁判所で仲間を売らなかったその「口の堅さ」を買われマフィアの一員と認められたときの場面と対照的で、見ながら私自身もヘンリーを呆然と見つめるジミーやポーリーと同じ心境でした。
 
仲間、ボスを売った理由を「生きたかった・・・。」ヘンリーはそう言い、また一方で、証人保護制度の下ひっそりと暮らす生活を「クソつまらない!」と嘆く。最後の、死んだトミーが数発銃を撃つシーン。あれはヘンリーが死んだも同然だといっているのだと思いました。彼の「生きる」って何なんだろう、改めてそう感じた映画でした。