原題:MONSTER'S BALL 製作年度:2001年 製作国:アメリカ 上映時間:113分
監督:マーク・フォースター
出演:ビリー・ボブ・ソーントン、ハル・ベリー、ピーター・ボイル、ヒース・レジャー、
ショーン・コムズ、モス・デフ、マーカス・ライル・ブラウン、ミロ・アディカ、ウィル・ロコス
【あらすじ】
看守のハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)は、その父バック(ピーター・ボイル)譲りの人種差別主義者で、自分の土地に黒人の子どもが足を踏みいることさえ嫌うほどだった。一方、ハンクの息子ソニー(ヒース・レジャー)もまた看守だったが、彼は心優しい性格で、人種差別することなく近所の黒人の子どもたちとも仲良しだった。
死刑の看守を務めていたハンクとソニーは以前から不和だったようだが、死刑執行の前夜、死刑囚マスグローヴとソニーが心を通わす様子に苛立っていたハンクは、ソニーがその死刑執行をミスしたことで激怒し、ソニーを罵倒する。その日、家に帰ったハンクはソニーに「家から出ていけ」と怒鳴り、そのことでソニーはハンクに反抗し、「ずっと俺を嫌っていただろ」と質問。それにハンクが答えるや否やソニーは自分の胸を撃って自殺した。
息子を失い、茫然自失になるハンク。看守の仕事も辞職。
そこに、たまたまハンクが車で通りかかった・・・。
【感想】 ネタばれあり
この映画、前から気になっていたのにまだ見ていませんでした。ハル・ベリーがこの映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞したんですよね、その印象が強くてヒース・レジャーが出演していたなんて全く知りませんでした。
なんか、せつない映画でした。
アメリカの南部って今でもこんなに人種差別が激しいんですか?前に見た『グラン・トリノ』も人種差別が根強い地域の話でしたよね。この映画に登場するハンクの父バックも酷かったです。レティシアのことを「黒の女」と呼んだり、「昔は、白人と黒人で住み分けができていた。」などと発言したり、私から見たらサイテー人間でした。
ハンク自身も初めは同じ思考の持ち主で、黒人の子供に銃を向けて威嚇したり、父親に負けず劣らずでした。
結局、こんな人種差別主義者のハンクが息子の死を通して考えを徐々に改めていき、黒人であるレティシアとの愛情を育んでいくという話です。また、レティシアも、夫、息子を亡くし、さらに、付き合い始めたハンクの物置でその夫が描いた絵を見つけ悲嘆に暮れながらも、その悲しみを乗り越えていこうという話です。
いい言葉が思いつきません。テーマも重いし、死が多いからかなぁ。
最後のシーンのレティシアの表情、感情などはうまく説明できないけど、すごく勇気づけられる気がします。
彼女は、夫も息子も失い、ハンクの父からは侮辱され・・・ですが、ハンクから注がれる愛情に向きあおうと精一杯の一歩踏み出すわけですよね。あの家の前でアイスクリームを食べるシーン、あれにはジーンときました。
ハンクも映画の終わりには、映画の初めのときとはまるで表情が違った穏やかな表情をする人間になっていて、感慨深かったです。初めは彼は憎たらしかったけど、最後を見ると共感してしまいます。なんかなぁ~、考えさせられます。人は変わることができる、だから希望を失わないように・・・と言われた気がしました。