リフレッシュの時間

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『サハラに舞う羽根』

今日はヒース・レジャーの主演映画のイギリスの歴史物を見ました。
 
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原題:THE FOUR FEATHERS  製作年度:2002年 製作国:イギリス・アメリカ 上映時間:132分
監督:シェカール・カプール
出演:ヒース・レジャーウェス・ベントリーケイト・ハドソンジャイモン・フンスーマイケル・シーン
   ルパート・ペンリー=ジョーンズ、クリス・マーシャル、アレック・ウェック、ティム・ピゴット=スミス
 
【あらすじ】  ネタばれなし
1884年のイギリス。当時、イギリスは領土拡大で世界各国で戦っている軍国主義だった。
兵士になり、国のために戦うことは当然のこととされており、軍隊に入らなかった者には「白い羽根」が送られ、
それは、不名誉な「臆病者」を意味するものだった。
 
将軍を父に持つ青年ハリーヒース・レジャーは、仲間からも信頼されるエリート士官だった。
特にジャックウェス・ベントリーとは大の仲良しで、互いに兄弟と思うほどの仲だった。
そんな彼が恋人エスケイト・ハドソンとの婚約を公にした矢先に、スーダンへ進軍する命令が下った。
今まで戦場に赴いたことのなかったハリーは、突然の進軍命令に不安を覚え、それをジャックに打ち明けたものの耐えられず、翌朝、除隊の希望を申し出た。
 
ハリーの除隊を知った仲間たちは、ハリーに失望し、「臆病者」の印である「白い羽根」を送りつける。
その後、かつての仲間たちはスーダンへと旅立ち、ハリーはどうしたらよいかわからないまま悩み続け、
臆病者でないということを自分自身が確信するため、兵士としてではなく、単身でスーダンに向かった・・・。
 


【感想】
イギリスの文学作品である小説『四枚の羽根』を映画化したものだそうです。
 
話の内容としては、まあ良かったとは思うけど、根本的に意味がわからないのは、
この主人公ハリーは、仲間から失望され、世間からも汚名を着せられることを覚悟の上で、「命が惜しい」と、「父のために軍隊に入っただけで、そもそも軍隊になんて入りたくなかった」と、戦地に行くことを拒否したということですが、にもかかわらず、後から、誰にも行き先は告げずに、スーダンに単身で行くのは、一体どういう心境の変化なんでしょうか。名誉挽回のためなら、父のコネを使ってまた復帰すればいいですし。
 
本気で戦争が怖くて辞めたなら、その後も戦地に行くことはできないでしょう。
除隊によって、友人関係も失い、恋人も失い、父からも拒絶されたのに、やっぱり行く・・・って・・・?
 
それに、武器一つ持たず、スーダンの言葉も話せずの状態で、単身で行っても、一体何ができるのだという感じですが、スーダンでは、まさに、彼自身の力というより彼を見つけたある物好きな現地人のおかげで、生き延びれたとしか言いようがありません。あの現地の人は神のような人物だな。全く何の縁もない見知らぬイギリス人を、片言の英語で「守ってやる」と、そして、自分の命が危険に晒されながらも、彼を守り続けるのですから!
 
そう考えると、この映画のストーリーってとても変に思えてきました。
見ている時は、ハリーの、仲間を助けたいという必死な思いに胸が打たれましたが・・・。
いざとなった時に除隊して仲間を裏切った、その罪悪感を、自分が現地に行って彼らを助けることで、払拭したい。彼らのために何かをしたい、その一心だったんでしょうね。失ってみてわかる・・・というやつでしょうか。
 
彼がスーダンに行って彼らを助けてイギリスにもどってきたからこそ、以前の仲間と、除隊する前までの関係を再構築できたというのは確かでしょうね。でも、こんなことって実際にはありえないなぁと思ってしまいます。
 
最後は、エスネと関係が戻ったのでしょうか。
私としては、関係が戻らない方が物語に深みが増すような気がしますけど・・・。これは私が悲観的なのかな。
 
ストーリーは置いといて、サハラ砂漠でのシーンは砂丘と砂が舞うのが美しくて、見とれました。
たまに映った夕焼けのシーンなんかもきれいだった。
砂漠は行ったことがないけど、朝日とか夕焼けは格別に美しそうだなぁ。
 
この作品の監督、シェカール・カプール監督は、イギリス領インド帝国出身の監督です。
映画『エリザベス』シリーズの監督も彼です。インド出身だけど、イギリスの歴史に魅了された人なのかな。
調べてみたら、監督になって初めに作った3本の映画はインド映画でした。それからはイギリス映画のようです。
「会計士になるためにイギリスに渡ったが、映画関係の仕事を始めた」って、人生どう転ぶかわかりませんね。