リフレッシュの時間

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『ホワイトハンター ブラックハート』

TV録画にて鑑賞。夜中に放送されている映画ってなんでこんなに渋いものが多いんだろう。
 
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原題:WHITE HUNTER, BLACK HEART  製作年度:1990年 製作国:アメリカ 上映時間:112分
監督:クリント・イーストウッド  原作:ピーター・ヴィアテル
出演:クリント・イーストウッドジェフ・フェイヒージョージ・ズンザ、アルン・アームストロング、
    マリサ・ベレンソン、シャーロット・コーンウェル
 
【あらすじ】  ネタばれなし
1950年代のハリウッド映画監督のジョン・ヒューストンクリント・イーストウッドは、脚本家のピートジェフ・フェイヒーと、新しく制作する映画の結末について議論していた。ジョンは、主人公が死ぬ終わり方が良いと主張し、ピートは、その結末は自分をはじめ観客も望まないと主張。それに対してジョンは「観客が望むものなど関係ない。自分が撮りたいものしか撮りたくない」と反論。議論は平行線のままだった。
 
ロケ地をアフリカに希望したジョンは、スタッフらより一足早くピートとアフリカに到着し、到着するなり、ジョンは、現地人を連れて、巨大な牙を持つゾウ狩りに執着しはじめた。やがて、スタッフ、俳優らが現地に到着した後も、ジョンは構わずゾウを追い続ける。その様子にプロデューサーらは不安を抱え、出資者は苛立ちを募らせる。
 
その様子を見かねたピートはジョンに苦言を呈するが、ジョンは「ゾウ狩りは蛮行ではなく、許可を得て罪を犯す行為だ。私はゾウ狩りをする。」と全く聞く耳を持たない。
ある日、ロケのセットを放り出してゾウ狩りに出かけたジョンと現地人は、親子のゾウに遭遇するが・・・。


【感想】  ネタばれあり
この映画は、『アフリカの女王』という映画を撮影時の監督ジョン・ヒューストンを描いた作品だそうですが、そもそも私は、『アフリカの女王』もジョン・ヒューストンという監督も知りませんでした。
 
ジョンという人物は、正義感があり、当時の黒人差別やユダヤ人差別に対しても強い反感を抱いていて、差別発言や侮辱行為を行う白人を、男女関係なく堂々と批判し、時には殴り合いまでする。そんな人物なのに、大自然の中で平和に暮らすゾウを殺すことに異常に執着し、罪を犯すことに関心がある。
そんな彼を止められる人は誰もおらず、彼はついに連れていた仲間の現地人をゾウの攻撃で死なせてしまう。その知らせを受けた現地の人々は「白人のハンターは、心が真っ黒だ。」と悲しみ、その言葉で彼はどん底に落とされ目を覚ます。その言葉は、まさに彼が差別主義者らに突き付けていた言葉そのままだった。
 
クリント・イーストウッド監督ならではの渋い作りはそのままですが、今まで観たイーストウッド監督の映画の中では最も「微妙な」映画でした。このジョンという人物に感情移入できないのが原因かもしれません。ジョンの心の奥に何が潜んでいるのか、なぜ異常に罪を犯すことの執着するのか、そのあたりがよくわかりません。
 
このジョン・ヒューストンという監督は、アカデミー賞も受賞したことのある監督なんですね。そんな監督の異常さを描いた映画だったのかな、なんか、よく分からない映画でした。