リフレッシュの時間

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“マーゴット・ウェディング”

私の大好きなジャック・ブラックが出演していると知り、観ました。

 

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原題:MARGOT AT THE WEDDING  製作年度:2007年 製作国:アメリカ 上映時間:92分
監督:ノア・バームバック
出演:ニコール・キッドマンジェニファー・ジェイソン・リー、ゼイン・パイス、ジャック・ブラック、ジョン・タートゥーロ

 

確かに、後味はあまりいい映画ではないかもしれませんね・・・。
コメディに分類されてるけど、どこが?という感じです。分野としては、人間ドラマですね。

 

主役はマーゴット。ニコール・キッドマンが演じています。
上の絵のピンクの帽子の女性がニコールです。いつ見ても美しいです。

 

マーゴットの妹が、ジェニファー・ジェイソン・リー演じるポーリン。
ジャック・ブラックは、ポーリンの結婚相手のマルコム役です。

 

この映画、一言で言うなら、ポーリンとマルコムの結婚式を巡る、マーゴット、ポーリン、マルコム、(それとマーゴットの息子)の心情を描いた作品なのですが・・・
観た感想としては、マーゴットという孤独な女性を描いたものだと思いました。

 

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前提としては、マーゴットとポーリンは姉妹で、とある出来事で絶縁していたが、ポーリンの結婚式ということで、NYに住むマーゴットが、かつて二人の親の家でもあったポーリンの家(←田舎)に訪れます。

 

このマーゴットという人物、NYで売れている女流作家で、おまけに「美人」と来たもんで、非のうちようがない人物です。ただ、神経質で情緒不安定気味で、都会に多いタイプの人物です。
それから、人を信じるということを知らない人なんですね。これも都会に多いタイプ。

 

結婚式は目前だというのに、妹に、マルコムという無職の男と結婚するをやめるように説得し始めます。
「あなたは頭もいいんだし、あんな男と結婚するのはやめなさい。あなたとは釣り合わない。」と。
妹のポーリンは、マルコムを愛しているのに、その姉の言葉でマルコムの愛に疑念が生じ始めます。

 

姉は、見た目も身なりも仕事もきちんとしている人こそが素晴らしい、と考えていて、
その考えは、NYという大都会の有名作家というキャリアを持つ姉の価値観としては、まっとうなのでしょう。

 

ただ、妹は、その姉の言葉に耳を傾けつつも、姉に対して猜疑心が強く、姉の言葉を一切信用していません。
それなのに、姉に「マルコムと結婚したいの!」とは言い放てない。
姉に恨みの気持ちさえ抱いているくらいなのに、美しく芯を持っている姉を心のどこかで少し尊敬しているのかも。

 

一方、妹は、姉に
「結婚相手がどんな相手なのか確かめに来ただけなんでしょ?(祝福する気があって来たんじゃないでしょ?)」
と言います。妹は姉を信用していないし、また、姉はその妹からの質問に対してもするりとかわす。

 

それなのに、時には、妹は姉に「あなたは最高の親友」だと言い、姉も妹に「私もよ」と返す。
お互いにそうなりたいんでしょうね・・・。

 

でも、一度生まれた猜疑心は、同じ血が流れる姉妹間であってもそう簡単には消えることはない。ましてや、過去に、裏切りとも思える行為があったときには・・・。

 

私は、同性の兄弟がいないのでよくわからないのですが、同性の兄弟間・姉妹間だと、こんなふうに心のどこかで自分と比較して、相手に嫉妬したり、否定しようとしたり、でも、やっぱりつながっていたいという寂しさみたいなものがあるんでしょうか。

 

私は異性の兄弟なので、その点、嫉妬もなければ、一定の距離感もあり、良かったです。

 

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本題からずれましたが、マーゴットは、プライドも高いし、その分それに見合った気品も溢れているのですが、人を信じられないばかりに、ますます自分の身を孤独に追いやって、我が子からも逃げようとします。

 

あれほどに美しく才能もある女性なのに、本当に気の毒。
彼女の人間不信が、彼女自身を苦しめ、はたまた彼女の周りの人々をも苦しめているからです。



この映画の中、マーゴットの息子だけが、マーゴットの弱さに気づいていて、
マーゴットをひたすら支えようとしていて、健気です。

 

一方で、マーゴットは、自分の保身のために息子さえも捨てようとします。
(この人は、どこまでも逃げの姿勢だなぁ~。現実というのは辛いことにも立ち向かっていくしかないのに。)
でも、最後の最後には、本当に大切なものを見つけ、今まで自分を正当化してきた自身の弱さを認め、自分のプライドも何もかも捨て去ることができたように感じました。

 

その意味で、この映画はハッピーエンドです。

 

最後の、彼女の息子の、ただ受け入れているその姿がよかったです。

 

子どもは、大人よりも大人なのかもしれませんね・・・。