リフレッシュの時間

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『コールド マウンテン』

ニコール・キッドマン主演の南北戦争映画。彼女の主演映画、『オーストラリア』というのもありましたよね。なぜかあの映画とこの『コールド マウンテン』が同じような印象を抱いていました。でも舞台も時代も全く違いますね。
 
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原題:COLD MOUNTAIN  製作年度:2003年 製作国:アメリカ 上映時間:155分
監督・脚本:アンソニー・ミンゲラ   原作:チャールズ・フレイジャー
出演:ジュード・ロウニコール・キッドマンレニー・ゼルウィガードナルド・サザーランド
    レイ・ウィンストン、キャシー・ベイカー、イーサン・サプリー、ジャック・ホワイト、キリアン・マーフィ
 
【あらすじ】  ネタばれなし
時は南北戦争時代。
牧師の父と共に南部のコールドマウンテンの地に越してきたエイダニコール・キッドマンは、生粋のお嬢様育ち。南部の険しい山に囲まれたコールドマウンテンの荒々しい土地には似合わない気品のある女性だった。その地に以前から住むインマンジュード・ロウは彼女に一目惚れし、また彼女もインマンに惹かれていった。
 
そこへ南北戦争が始まり、二人は引き裂かれる。エイダはインマンの帰りを待ち続けることを約束し、ひたすら彼に手紙を書く。インマンも負傷しながらも、彼女に手渡された小説と彼女の写真を大事に守りながら戦っていた。
 
戦争が始まってしばらくして、エイダにとって唯一の家族だった父が突然亡くなり、彼女は貧しい生活を強いられることとなった。お嬢様であるがゆえに実用的なことは何一つ教わってこなかったエイダ。その様子を心配した近所の人たちが、ルビーレニー・ゼルウィガーを住み込みのお手伝いとして紹介した。ルビーは、粗野で荒々しい言葉遣いの女性だが、畑仕事もでき、生きていくすべをエイダに教え、次第にルビーとエイダは仲良くなっていく。
 
そして、いよいよ南部の敗北が色濃くなってきた頃、怪我で命さえ危うい状態だったインマンは、脱走兵となって故郷のコールドマウンテンに住むエイダの元へ帰る決心をする。
その道のりは決してたやすいものではなかった・・・。
 


【感想】
壮大な映画でした。随所に涙してしまう場面があって、生きることとはこんなに苦しいことかと、南北戦争の壮絶さを感じました。エイダとインマンの愛を描いているのはもちろんなんですが、その周りに散りばめられた一人ひとりの人間の「生」が、切なくて、むしろそっちに共感することが多かったです。
 
一番印象に残っている場面は、ナタリー・ポートマンが演じていた、病気の乳飲み子を抱えるサラと、インマンの心の交流の場面です。サラは、夫が戦死してしまい、食べ物もわずかななか、病気の赤ん坊と二人だけで生活していました。そこへ、嵐の中、命からがらその家に辿りついたインマンが、食べ物を乞うて、家に入れてもらうのですが、その後サラが心の中でインマンの姿に亡き夫を重ねるシーンです。これは悲しかったなぁ。
孤独だし、これからどうやってこの子を育てていくのか先が見えないし、自分しか頼りにならないんだけど、そんなこと分かってはいても、やっぱりつらいですよね・・・。そういう心情が痛いほど伝わってきました。
 
それから、ほんの端役で出演していたキリアン・マーフィが演じていた北軍の兵士。何日も食べていない状態で、飢えていたのですが、他の北軍兵士2人が乱暴な最低野郎で、キリアン・マーフィが演じていた兵士は病気の赤ん坊を心配する心優しい青年だったけど、そんなことをサラが知るわけもなく、他の北軍兵士に屈辱を受けかけたサラにあっけなく銃で撃たれてしまいます。結局、戦争になると、一人ひとりの人格なんて何でもなくて、敵か味方かそれだけなんだという歯がゆさを感じました。生きるか死ぬか、本当にそれだけなんですね・・・。
 
レニー・ゼルウィガーは、彼女特有の優しい雰囲気と全く違った、南部気質(?)の荒々しい粗野な女性を見事に演じ切っていて、アカデミー賞納得の演技でした。彼女の演じたルビー、好感持てるわ。かわいかったです。
 
ニコール・キッドマンは、やはり美人だったなぁ~。でも美人度は、こないだ見た『記憶の棘』の方が高かったです。今回のエイダという女性は、後半はしっかりした骨太な女性になっていましたが、初めは生粋のお嬢様で甘ったるいしゃべり方。『記憶の棘』のアナは同じお嬢様でも現代の気の強いお嬢様で、ニコール・キッドマンはうまく演じ分けていたと思います。
 
私としては、メインテーマのエイダとインマンの恋愛模様もそこそこ感動しましたが、それ以上に、南北戦争の過酷さや生きていくことの大変さ、つらさを見せつけられた映画でした。