リフレッシュの時間

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大学生の時の思い出

この7月から9月まで、毎週土曜日に、所属する税理士会で開催されているセミナーに参加することになった。このセミナーは、「明日の税理士会を担う人材の育成制度~A-Zセミナー」という名称のセミナーで、全8回。内容は、各分野での著名な大学教授等をの先生方の講義を受けた後にグループワークするという内容のものだ。

各回の具体的なテーマは以下のとおり。

第1回 行政法

第2回 財政学

第3回 税理士法

第4回 租税法

第5回 民法

第6回 憲法

第7回 租税訴訟

第8回 法制実務

 

大学生の時に、法学部法律学科だったので法律には抵抗感がないし、そもそも研究好きで概念や理論などを学びたいタイプなので、このセミナーに応募した。

今はまだ第1回が終わっただけだが、やはり、普段いくら自分の仕事で法律に多少触れるとはいえ、学問という視点から実務で使っている法律を眺めてはいなかったので、いろいろと新しい発見があった。

 

そして、先日たまたま図書館に行った際に、第2回が始まる前に「財政学」の本でも借りてみようと思い、第2回の講師の教授の著書「財政学」を見つけた。その書籍の「はじめに」を読んでいたところ、その著者の方が、お世話になった先生へのお礼を述べている箇所で、数多くの大学教授の先生方の名前が並ぶ中、見覚えのある教授の名前があった。

ああ、自分が大学4年生の時に、受講登録はしたものの結局受講しなかった財政学の教授の名前だった。何も知らなかったが、東大の教授だったらしい。惜しいことをした。

そう感じて、あれよあれよと大学生の時のことを思い出した。

私の大学では3年生終わりまでに卒業単位がすべて取得できる仕組みになっていて、よほど単位を落とさなければ、4年生になるころには卒業単位がそろっている。それは、法学部生の中で、在学中から司法試験を目指す人たちがいたので、おそらくその生徒たちが受験に専念できるようにするために配慮した仕組みだったのだと思う。

ところが、私は、司法試験を受けるなどとはつゆも考えておらず、3年生の最後で卒業単位を取得したことをいいことに、4年生はバイトや旅行に行ったりフラフラ過ごしていた。

4年生の初めに学びたい講義を選んで受講登録するのだが、その時に、財政学や金融論などを選んで、一度ぐらいは出席したと思うんだけど、

「何を言っているのかさっぱりわからないな!」と切り捨ててしまった。

どうしてあの時に、フラフラしていたのか、今となっては悔やまれるばかりだ。

自由な時間がたっぷりあって、親からの仕送りもあるからお金にもあまり困っていなかったというのに、今振り返ってみても、4年生の1年間は何をしていたのか、よく覚えていない。就職氷河期で、就職活動をしていたのは間違いないけれど、確かGWに入る前ぐらいにその就職活動も終わった気がする。

 

今は、どんなに勉強したいと思っても、仕事の時間、家事の時間、育児の時間、と、24時間が細分化されていて、ろくに勉強の時間なんてない。電車に乗っている合間に本を読めるぐらいで、それも読書に没頭してしまうと降り過ごしたり、乗り換えを間違えたりして困るので、なるべくなら読書しないようにとさえ心がけているぐらいだ。

 

とはいっても、毎週土曜日に、上記のセミナーを受講できることになったのはうれしい。少なくとも、この1週間のうち半日だけは、自分の知らない新しいことを学ぶことができるからだ。

 

考えてみると、確かに、大学4年生の私には、「財政学」の講義は難解に感じた。そもそも法律を学んできたということもあって、経済学の知識もないし、財政学はさらに難解に感じた。

法律は、数学に似ている。定義、要件、法的効果など、事象や行為の定義が決められていて、それに状況を当てはめて、成り立つのか成り立たないのか、要件が備わっているのかそうでないのか、など、数学の「証明」の理論と同じだ。私は、中高生の時から数学が好きだったので、そこは違和感なくむしろすぐになじめた。

しかし、大学1年生の時に学ぶ、「民法総論」などは概念の内容も多いので初めはさっぱりわからなくて、大学1年生の時に初めて「民法総論」を受講した時には、

「これは大変な学部に来てしまった。安易に選んでしまったが、もっと慎重に選ぶべきだった。4年間もこの学部で学べるかなぁ」

などと不安を抱いてしまったが、2年生になるころにはその不安もなくなっていった。

それは、2年生以降のカリキュラムは、「刑法各論」や「債権各論」、「会社法」など、次々と、より具体的なイメージしやすい法律が勉強内容となったからだ。

 

そもそも、高校生を卒業したばかりの大学生の頭と、社会人になって早15年経ち様々な経験をしてきた今の自分の頭とでは、何より、経験則が違うためか、頭の理解度が全く異なるように感じられる。

今は、大学生の時に難解に感じられた「財政学」をそれなりに興味を持って、わくわくした気持ちで臨むことができる。

自分の頭が、大学生時代にもっと熟成されていればよかったのになぁ、と思う。

無理な話だけれど。

 

このセミナーが、今の自分の実務に直接なにか恩恵をもたらすわけではないけれど、ただぼんやりと、これを勉強したことで自分の新しい道を開くことのきっかけになればよいと思っている。

自分の頭の中で考えていることが、どのようなカタチで、今後現れてくるのか、また、社会に貢献することができるのか、今はまだわからないけれど、でも、ただ漫然と日々を過ごしているよりはよっぽど有意義で、なにか前向きになれる。

自分が大学生に戻った時のように、いや、またいつか大学生に戻れるように、いろんなことを学んでいきたいと思う。