リフレッシュの時間

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『エレジー』

とある大学教授が、30歳も年下の教え子であるぺネロぺ・クルスに恋する話です。みんなぺネロぺに恋やね!
 
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原題:ELEGY  製作年度:2008年 製作国:アメリカ 上映時間:112分
監督:イザベル・コイシェ 原作:フィリップ・ロス 脚本:ニコラス・メイヤー
出演:ペネロペ・クルスベン・キングズレーパトリシア・クラークソンデニス・ホッパー
    ピーター・サースガード、デボラ・ハリー
 
この話は、さっき書いた『赤いアモーレ』よりずっと良かったです。『赤いアモーレ』でぺネロぺの演じるイタリアと同様、この『エレジー』での女子大生ぺネロぺも薄命で、「叶わぬ恋」というところまで同じですが、人物の設定もストーリーも全く異なるので、二人の愛の描かれ方もまた全く違いました。こっちのほうが私は断然好きです。
 
結局、男性にとって「叶わぬ恋」なんですね、ぺネロぺは。この映画で描かれているぺネロぺは、若くて美しくて、教養があって知的で、性格も良くて・・・文句無しです。きっと男性が描く理想の女性でしょう。
そんな彼女に恋してしまう、30も年上の教授。彼には、体の関係のみ(?!)のお互いに割り切った関係の愛人(パトリシア・クラークソン)もいるのですが、その愛人に隠してコソコソと、ぺネロぺとの愛を育んでいきます。
 
何が一番良かったかと言うと、ぺネロぺの命に先が無いことを知った時の教授の姿です。本当に愛する者を失うかもしれない局面に立った時、その教授はもはや年老いた男ではなく、まるで少年でした。まるで、愛する母を亡くすことを受け入れられないまっすぐで純粋無垢な少年そのままでした。彼のまっすぐな純粋な気持ちを、ぺネロぺがやさしく抱きしめていて、そこには30歳もの年齢差なんて嘘のよう、むしろ母と少年のようで、年齢は逆転しているように見えました。
そのあたりはこの教授を演じているベン・キングズレーが演技がうまいからなのかなぁ。その二人の様子が自然で、胸に訴えかけてくるものでした。それだけに、この二人の話は感情移入して、目頭が熱くなってしまいました。
 
ぺネロぺもかわいかったです。この映画はなかなかお勧めできると思います。