リフレッシュの時間

自分の思いつくままに、好きなことを書いています

“アダプテーション”

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面白かったわ~~~!
脚本は、チャーリー・カウフマン。“ジョン・マルコヴィッチの穴”の脚本を書いた人です。
この脚本家自身が主人公の話です。作品中では、ニコラス・ケイジが演じています。

私は、“ジョン・マルコヴィッチの穴”も以前観たことがありますが、哲学的でとても面白い話でした。
この作品も哲学的に考えさせられる作品でした。

主な登場人物は
メリル・ストリープ演じるニューヨーカー誌のジャーナリスト、スーザン・オーリアン
そして、彼女が記事を書いた対象の人物、ランを熱狂的に採集する植物学者(?)ジョン・ラロッシュ。
クリス・クーパーが演じています。
そして、主人公の冴えないデブで内気、自信のない脚本家“チャーリー・カウフマン”。
ニコラス・ケイジが演じています。
それから、意外にキーマン的存在の、双子の兄弟“ドナルド・カウフマン”。同じくニコラス・ケイジです。

では、あらすじを・・・・・・

スーザンが出版した、ランを採集するジョンを特集した本の映画化で、チャーリーはその脚本を依頼される。
自分をアピールする絶好のチャンスのはずだが、何しろチャーリーには自信がない。
ただ、映画で表現したいものについてはこだわりがあり、内容の薄い所謂「ハリウッド的」なものは描きたくない。
一方で、双子の兄弟は、同じく脚本家だが、考えも浅はかだし、まさしく「ハリウッド的」な作品の脚本を書く人間。
いつも前向きで、物静かで苦悩しがちなチャーリーを励まそうと(?)チャーリーの創作活動の邪魔をしている。

「お前と同じ遺伝子か・・・、寂しいよ・・・。」とつぶやくチャーリー。
そう言いながら、あれこれ試行錯誤し、苦悩とともに脚本を進める。
脚本を書きながら、いったい、何を描いているのか??
ランを熱狂的に採集するジョン・ラロッシュを描いているのか?
いや、そのジョン・ラロッシュを題材として見つめているジャーナリストのスーザンを描いているのか?
いやいや、ジョンでもスーザンでもなく、ランという“花”を描いているのか・・・?

「ここで、チャーリーはテープレコーダーに『ここで、チャーリーはテープレコーダーに・・・』と吹き込む」と、
テープレコーダーに吹き込むチャーリー。

途中、“ジョン・マルコヴィッチの穴”を観たときにも味わった、目がグルグル回っていく感じをここでまた味わいました。いったい、何が現実でどこからが架空なのか?
と、頭がグルグルになりながら、そんなことは頭の隅に置いておいて・・・。

チャーリーは殺されかけながら、いつも馬鹿にしている兄弟のドナルドに尋ねます。色々話していますが、
要約すると「お前は、いつも(図太くて馬鹿なのに)どうして幸せそうなんだ?」ということです。
それに対するドナルドの答えが・・・・・・人生の芯をついているのです。
馬鹿で頭が弱いはずの兄弟なのに。。

そこで、チャーリーは気づくのです。その瞬間、本当の意味で学んだのだと思います。
気づいて、変わる。それこそが『アダプテーション』(=適応)。

その後、まだまだ話は続きます。悲しいこともあります。
・・・・・チャーリーは『アダプテーション』したのです・・・・・・。

この脚本家、実在するチャーリー・カウフマン、凄いなと思いました!良かった!
見直しました。この人が脚本してる作品、他にも観てみます~~★

そうそう、もちろん、それぞれの俳優が素晴らしい演技をしていたのは、言うまでもありません。
メリル・ストリープが言葉を発さずに表情のみで感情の変化を表すのを描いている場面がありましたが、
これは、チャーリーが脚本養成講座みたいなところで「心の声をナレーションするなんてダメだ!」
ということを聞いて、それを実際に、俳優に表情の変化のみで試してみたのでしょうが、
さすがメリル・ストリープです。メリル・ストリープは真の演技派です。この試みは大成功でしょう。
でも、最後の最後に、心の声をナレーションして見せて、
「ナレーションはダメだって言ってた。でもあんな講師はどうでもいいや。」とオチをつけてるのはさすが。

このチャーリー・カウフマンっていう人、めちゃくちゃ頭いいんでしょうね!
人生とか実在論そういう哲学的なことを考えて内面に向かいたくなったらこの作品、というところでしょうか。

イメージ 2最後に、この作品でも変な役をやっていたクリス・クーパーの作品中での画像載せときます。