リフレッシュの時間

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“官僚たちの夏”第3話~日米繊維問題~

第3話は、『日米繊維問題』でした。

当時、日本の安くて質の良い綿製品がアメリカで非常に売れ、それにより貿易摩擦が生じたのです。

日本の繊維工場は、アメリカという大きな市場を目指し、せっせせっせと綿製品を生産しています。
それに対してアメリカ政府は、自国の産業を守るために、日本に綿製品輸出規制を強硬な姿勢で求めてきます。

日米安保理が特に重要視されているこの時代です。
アメリカの要望を飲まないわけにはいかない、と考える大臣や国際派官僚たち。
かたや、風越をはじめとする、国内産業保護派たちとの闘いです。

このアメリカの要望を飲み、綿製品輸出規制をすると、何百社もの日本の繊維企業が倒産してしまう。
せめて、輸出規制までに3年の時間の猶予を与えてほしい。これが国内産業保護派の主張です。

しかし、あっけなくも、繊維局長の玉木は、
(苦渋の決断とはいえ)アメリカの要望を素晴らしい迅速なスピードで受け入れ、
なんと「来月一日から実施する。」と通達を出します。

「現場の声を聞くべきだ」
「現場なんて見てたら、情が移って仕事ができない」

「いつから、局長というだけで、周りと相談せず独断で決定できるようになったのだ」
「日本全体の産業のために、一部の業界が辛苦を味わうのは仕方のないことだ」


この通達により、繊維業界で働く人々が通産省に抗議します。その中に、
通産省の鮎川(国内産業保護派)が以前に何度か訪れていた中小企業の岡屋社長(桂ざこば)もいて、

「お前ら、わしらを殺す気か!」
「どうやって行ったらいいんや!」

と叫び、鮎川を殴りかからん勢いです。
この通達に反対派だった鮎川が、胸倉つかまれながら
「大丈夫だ、オカヤさんの作った綿製品はどんなことがあっても丈夫で破れない」
と言った時には、思わず涙がこぼれてしまいました。


ざこば師匠の熱演にも感動ですが、アメリカと日本の政府とのやり取り(政策)のために、
今までずっと汗水たらしてがんばってきた人たちが、不合理にも辛苦を味わわなければならない、
ということには、悔しさと無念を感じます。

しかたがないことだけど、「しかたがない」と割り切るのはできないですよね・・・。