リフレッシュの時間

自分の思いつくままに、好きなことを書いています

“鶴下絵三十六歌仙和歌巻” ~大琳派展~

前回に引き続き、大琳派展での特に素晴らしいと感じた作品についてのご紹介です。

さて、今回は、前回の記事での反応でも話題に上がりました、“和歌巻”を取り上げます。

こちらは、金色と銀色の調和で美しかった“和歌巻”です。宗達が下絵を描き、光悦が筆で和歌を書いています。

全体像はこちら。
イメージ 1


部分的にはこちら。
イメージ 2


  俵屋宗達 下絵/本阿弥光悦 筆 “鶴下絵三十六歌仙和歌巻” 
            江戸時代 17世紀 京都国立博物館

全体をお見せできないことが大変残念です。この作品、全体では13mもあるそうです。
確かに、展覧会でこの作品を見たとき、ずーっと長い長蛇の列の中でゆっくり眺めました。
この和歌巻の美しいところは、何羽も重なり合う、銀色の鶴です。
上を向いて飛んでいる鶴の群れ、下を向いて飛んでいる鶴の群れ。立って水を飲んでいる鶴の群れ・・。
その下絵の上に、三十六歌仙の歌。実に優雅です。

実は、これと同じスタイルで、“四季草花下絵古今集和歌巻”(俵屋宗達 下絵/本阿弥光悦 筆)
というのもありましたが、私はこの“四季・・”のほうがいいなぁと感じました。
こちらの作品は鶴ではなくその題名のとおり、四季の草花が下絵に描かれているのですが、
藤だとか、梅、桔梗らしきもの、ツツジなどなど、様々な草花が金色と銀色で描かれていて、美しかったです。
鶴ももちろん格調高く品があるのですが、“四季・・”のほうは、草花を通じて四季に触れるという、
何か、自然の暖かさのようなものを感じたのでありました。


職人の俵屋宗達とアートディレクターの本阿弥光悦の競演、なんと豪華な、そして素晴らしい創作活動ですよね。
この二人、両者ともに、江戸幕府が開かれたばかりの時代に、京都で活躍した芸術家です。
京都が培ってきた芸術センスの優雅さに心打たれますよね。


追伸;この記事を掲載した後に、私が「こっちのほうが私は好きかな」と思った“四季草花下絵古今集和歌巻”の
画像(一部)を見つけましたので、載せておきます!
イメージ 3


  俵屋宗達 下絵/本阿弥光悦 筆 “四季草花下絵古今集和歌巻”
                 江戸時代 17世紀  東京・畠山記念館 蔵

うーん、素敵やなぁ・・・。