リフレッシュの時間

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“樵夫蒔絵硯箱” 本阿弥光悦 ~大琳派展~

ここ数日、大琳派展特集で繰り広げていますが、
私が個人的に「特に印象的だったと思った作品」だけでも結構な数があるのです。

今までずっと、江戸の初期の俵屋宗達本阿弥光悦の作品をご紹介してきましたが、
今回の記事でもっていったんはこの江戸初期の作品を最後にしたいと思います。
まだご紹介していない尾形光琳尾形乾山酒井抱一、鈴木基一・・・の作品がまだまだあるんです。

さて、今回印象的で面白いな、と思った作品はこちら。

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  本阿弥光悦 作 “樵夫蒔絵硯箱” 江戸時代 17世紀 静岡・MOA美術館

この作品、画像では、光の加減できちんと映し出されていませんが、
「きこり(樵)」の腕と足が螺鈿(らでん)で装飾されています。
その螺鈿が、実際の作品を観ると、美しくて、
そもそも、きこりを題材にすることすら面白いと思われるのに、
その腕と足を螺鈿によって光らせているのは、なにか、独特な美しさを感じたのでした。

このきこり、山を下りている様子なのかもしれないのですが、
その足取りが踊っているようで、こちらまで少し楽しい気持ちになりました。

硯箱や紙箱って、このような螺鈿や蒔絵の芸術作品がたくさんあるのですね。
他にも多数の作品がありました。
もちろん、この「きこり」の作品よりも素晴らしい作品もたくさんありましたよ。
ただ、私は、お公家さんを描いた硯箱よりも、
踊ってるようなステップの「きこり」の作品のほうが好きだな、と感じただけです。

私は全くよくわかりませんけど、本阿弥光悦という人は、
世間の偉い人たち、自分の商売相手の金持ちの人たちだけでなく、
庶民の姿もまっすぐに(偏見なく)眺めていた人物なのかもしれないと思いました。

ただの職人じゃないアートディレクター本阿弥光悦、面白いですね。好きになりました。