リフレッシュの時間

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『エリザベス ゴールデン・エイジ』

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原題:ELIZABETH: THE GOLDEN AGE 製作年度:2007年 製作国:イギリス・フランス 上映時間:114分
監督:シェカール・カプール
出演:ケイト・ブランシェットジェフリー・ラッシュクライヴ・オーウェンリス・エヴァンス
    ジョルディ・モリャ、アビー・コーニッシュサマンサ・モートントム・ホランダー

前回に続いて、“エリザベス ゴールデン・エイジ”(2007年 イギリス)も観ました。

時は1585年から始まります。
この作品は、特に、カトリックのスペインとプロテスタントイングランドとの戦いを描きつつ、そのイングランドを統治するエリザベス1世を描いたというものです。エリザベス1世、スペインのフェリペ2世、スコットランド女王のメアリ・ステュアート、(ローマ法王、)の政略争い。

簡単に言うなら、
スコットランド女王のメアリ・ステュアートは、真の王位継承者はエリザベス1世ではなく自分であると主張し、エリザベス1世の失墜を企む。フェリペ2世は、カトリックこそ「キリスト教」であり、それ以外のプロテスタントなどの異教は排除すべき悪魔の手だとし、プロテスタントを信仰するイングランドを征服しようとする。ローマ法王も、フェリペ2世と同じ思考で、スペインのイングランド侵攻を後押しする。

その緊迫した状況が続く中、ついに、メアリ・ステュアートが送った刺客がエリザベス1世を襲う。
エリザベス1世の命に別状はなかったが、その事件で、ついにメアリ・ステュアートの死刑が処される。
それを機に、メアリと同じカトリックを信仰するスペインフェリペ2世が、無敵艦隊イングランドに侵攻させる。

エリザベス1世は、こうした時代背景で窮地に追いやられ精神的に不安定になったり、私生活では新天地を開拓する冒険者ローリー卿に好意を寄せたりしながら、“ゴールデン・エイジ”を築きます。

イメージ 2衣装がゴージャスで美しいなぁと思っていたら、アカデミー賞(衣装デザイン賞)を受賞していました。
本当に衣装だけ観るのでも見ごたえあるかもしれませんねぇ。


しかし、内容としては、好みの問題もあるとは思いますが、前作の『エリザベス』のほうが私は好きだなぁ。

イメージ 3前作は“エリザベス1世”ってこんな人、という監督の思うエリザベス像を描いていて面白かったのですが、この作品は、衣装とかカメラワークとか光の入れ方とかのディテールにはこだわりがあって良いものの、いまいち、歴史を中心に描きたいのかエリザベスを中心に描きたいのか中途半端に終わっている感じがしました。
映像的には美しかったと思います。

前作でキーパーソンだった重鎮の「ウォルシンガム卿」も、この作品では存在感が薄かったです。

イメージ 4圧倒的に存在感があったのは、例の冒険家のローリー卿。
魅力的人物だったのか、エリザベス1世も惹きつけられ、その侍女もローリー卿と恋人関係になり、それを知ったエリザベス1世は怒り狂ってました。私の感想としては、せっかく前作で恋心も「女」も捨てて「王」となったはずのエリザベス1世だったのに、この作品では思い切り「女」に戻ってるよ~という残念な気持ちです。
このローリー卿、“クローサー”に出ていたクライヴ・オーウェンが演じています。写真の人が、そのローリー卿です。

同じような時代のエリザベス1世を描いた映画を観るなら、ヘレン・ミレンが演じた“エリザベス1世”の作品のほうが、深く人物像が描かれていて良いかもしれませんね!!!