リフレッシュの時間

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『ザ・ウォーカー』

これはなかなか面白かったです。デンゼル・ワシントンがひたすら西へ向かう話。
風景は壊滅した町や荒れ果てた土地ばかりですが、それが「絵」になっていて映像的にも良かったです。
 
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原題:THE BOOK OF ELI  製作年度:2010年 製作国:アメリカ 上映時間:118分
監督:アレン・ヒューズアルバート・ヒューズ
出演:デンゼル・ワシントンゲイリー・オールドマンミラ・クニスレイ・スティーヴンソン
 
この映画は、設定も面白かったです。簡単にあらすじを。
時は近未来。土地は荒野と化し、町は荒れ果て、人々は食べものや水を奪い合っている。主人公のイーライデンゼル・ワシントンも、枯れた落ち葉の広がる森の中で栄養失調のようなガリガリの猫を矢で射て、焼いて食べる。靴も死人から奪い、唯一の心の安らぎはi-podで流れる音楽。たった一人で、ある本を抱えて西へと向かう。
 
i-podはどうやって充電しているのだろうと思いきや、町に充電してくれる何でも屋があり、そこで必要な物を物々交換で揃える。水が貴重なため、ケンタッキーフライドチキンでもらう手を拭く紙のお手拭きが高値で交換される。
 
物を奪い合い、人同士での殺戮が絶えない。イーライの旅の道中でも、罪なき人々がギャングらしき者らに殺される場面に出くわす。そのギャングらにある本を探させている者が、その町を支配しているカーネギーゲイリー・オールドマン。彼は、その本を利用してその町だけでなく世界を統治しようと企んでいた・・・。


その本が何であるかは、簡単に予想がつくと思いますが、それが何であるか分かった後も、イーライの西への道のりは茨の道なのでそれなりに楽しめます。それにイーライのアクションシーンも、爽快でなかなかいいです。
最後も、意表を突く展開で、面白かったですし。こういう映画は工夫が凝らされていて好きです。
 
イーライは、神から西へ向かうことを告げられたとのことでしたが、途中、後ろから撃たれても死なない場面がありました。それは、神の御加護でしょうか。不死身の体になっていたのかな。他にもおなかを撃たれても知らない間に蘇っていたようだしなぁ。いかにもキリスト教的ではあるけど、まあそれもまたよかったです。
 
イーライの旅は30年に渡るそうで、その間に生まれた青年たちは、30年前に水や食糧が豊富あった時代を知らないという設定もまた興味深かったです。食糧で人々がいがみ合わない世界を知らない。そして、彼らの住む世界は宗教がなくなった世界でもあるので、食事をする前に「祈る」という行為も知らない。そうした細部までこだわって作られていて、面白かったです。
 
ところで、日本では食事をする前に「いただきます」と手を合わしますが、今まで何の疑問もなく手を合わしていたけど、あれも仏教の祈りから来ているんですね。手を合わせない習慣の人も多いみたいです。私の場合、幼稚園、小学校と、別に仏教の学校でもないけど常に「いただきます!」と手を合わせてから食事していたので、日本ではこれが普通かと思っていました。