リフレッシュの時間

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『アマデウス DIRECTOR'S CUT』

以前にも見た『アマデウス』だけど、このところモーツァルトにはまっていて、再び観たくなりBlu-rayで『アマデウス』を購入。DIRECTOR'S CUT版ということで通常より20分長いバージョンでした。
 
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原題:AMADEUS ―DIRECTOR'S CUT  製作年度:2002年(1984年) 製作国:アメリカ 上映時間:180分
監督:ミロス・フォアマン  原作・脚本:ピーター・シェイファー
出演:F・マーレイ・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ、ロイ・ドートリス、サイモン・キャロウ、
    ジェフリー・ジョーンズ、クリスティーン・エバーソール、チャールズ・ケイ、ケニー・ベイカー
    ヴィンセント・スキャヴェリ、シンシア・ニクソン、リチャード・フランク
 
同じ映画を見て再び記事を書いているなんて、どんなけ好きやねん?!という感じですが、今回は、前と違ってモーツァルトの曲を普段から色々聴いていた上でこの映画を見たため新たな気づきなどがありました。なので、その気づきや感想などを記録しておこうと思います。
 

今回新たに知ったこと、感じたこと。
 
その1。映画で使われている曲が、すべてではないですが、だいたい分かりました 
その上でそれぞれのオペラなどが作られた背景や制作の裏側の様子が見れた感じがして、うれしかったです。
 
この作品のストーリー中で、演奏されているオペラ、また制作模様が描かれているオペラは、後宮からの誘拐フィガロの結婚ドン・ジョバンニ魔笛です。
 
後宮からの誘拐では、ウィーンのオーストリア皇帝が、モーツァルトの噂を聞きつけて宮殿に呼び出した際に、オペラを依頼したもの。当時、オペラと言えばイタリア語で、ウィーンの宮殿でも宮廷音楽家国立劇場監督などが「ドイツ語は、鋭くてオペラには合わない」と否定的だったが、モーツァルトがドイツ語でのオペラを希望し、見事に成功させた。
 
フィガロの結婚は、その当時、“フィガロの結婚”の戯曲の芝居は、その内容が社会に悪影響だとしてオーストリアでは上演禁止されていたが、モーツァルトがその戯曲を題材に音をつけて、登場人物の大合唱にしたり、上演時間も大幅に長く設定するなどして、なんとか皇帝の許しを得て上演された。最後は「まことの許し」で終わるいい作品だったが、上演時間は4時間にわたる長時間で、数回で上演は中止になった。
 
ドン・ジョバンニは、モーツァルトの父レオポルトが亡くなった直後に作られた作品で、登場する騎士長の亡霊の姿はモーツァルトの中での父を投影したものだとサリエリは読み取った。この作品も素晴らしい出来だったが、サリエリ曰く自分の圧力でたった5回ほどで上演を終わらせた。
 
魔笛は、モーツァルトがレクイエムの作曲中に作った大衆オペラ。庶民向け風にアレンジした『ドン・ジョバンニ』のパロディを演じていたモーツァルトの友達の俳優が、自分たちに庶民向けのオペラを作ってとお願いして作られた。その俳優がシカネーダーで、シカネーダーは『魔笛』のパパゲーナを演じる。この大衆オペラも大成功。
しかし、当時すでにモーツァルトは病が重く、ほどなくして命を失う。
 
 
その2。サリエリの異常な嫉妬心。
モーツァルトは天才で、今こうして私が毎日聴いているように後世の人々にも愛されているけれど、モーツァルトがいたその同時代に活動している作曲家たちにとっては、モーツァルトの存在は純粋に喜べるものではなかった。純粋に称賛できる作曲家もいれば、その天賦の才能に嫉妬心ばかりが燃えるサリエリのような作曲家が多数いてもおかしくないと思う。才能あふれる人に、その成功を阻もうとする人々の圧力がかかるのはいつの世もどの分野でも同じなんだろうなと感じた。
 
 
補足。
このBlu-rayのジャケットの絵、魔王みたいな人しか見えてなかったけど、よく見たらその頭の部分に描かれているのは、『魔笛』の「夜の女王」ですね。魔王みたいな人は、モーツァルトを死に追いつめた、レクイエムの作曲を依頼をした「死神」ですよね。
 


こんなところかな~。この映画で見ると、モーツァルトが晩年は借金まみれで、生徒を雇って収入を得ようにもそれをサリエリらが阻んで、全く生活費が稼げない様子が描かれていたけど、このあたりはおおげさに描かれているんじゃないかなと思う。それに、レクイエムの作曲依頼の使いの者がサリエリというのも、たぶんこの作品で作られた設定ですよね~。モーツァルトをここまで追い詰めるなんて、サリエリがあまりに極悪非道な人間になってしまうから、実際のところはそうではなかったと思うのですが。こういう疑問は、本などを読めばわかるかな。
 
今は『フィガロの結婚』を聴いていますが、このオペラもなかなか楽しいです。『魔笛』のほうがユニークでもっと面白いけど、これは大衆オペラだったからなんですね。『フィガロの結婚』は長すぎてまだ十分に聴けてなくて記事にできないレベルですが、そのうち機会あれば記事にしたいなと思います。
フィガロの結婚』の次は、『ドン・ジョバンニ』あたりを聴いてみたいです。