リフレッシュの時間

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『スリング・ブレイド』

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原題:SLING BLADE  製作年度:1996年 製作国:アメリカ 上映時間:134分
監督・脚本:ビリー・ボブ・ソーントン
出演:ビリー・ボブ・ソーントン、ルーカス・ブラック、ナタリー・キャナディ、ジョン・リッター、
    ジェームズ・ハンプトン、ドワイト・ヨーカム、ロバート・デュヴァル、J・T・ウォルシュ
 
【あらすじ】
知的障害者のカールビリー・ボブ・ソーントンは、少年の頃に2人の殺人を犯して、精神病院に収容されていた。
25年の歳月が流れ、病院から出るよう言われたカールだったが、行き場もなく、仕方なく生まれ故郷に戻る。
とはいえ、まだ生きている父から嫌われているため家に帰ることもできず、カールの人柄をよく知る病院の人のつてで働き口を紹介してもらい、たまたま出会ったある男の子フランクとその母親、友人などに助けられながら生活することとなった。
フランクはカールの優しい人柄とその口調を気に入り、二人は仲良しになった。フランクの勧めでカールは彼の家のガレージに住むこととなったのだが、その家にはフランクの母の、凶暴で粗野なボーイフレンドが出入りしており、フランクやカールに嫌がらせをしたり、その他の人々を苦しめていた・・・。
 


【感想】
ビリー・ボブ・ソーントンの監督・脚本・主演ということで見た映画でしたが、ビリー・ボブ・ソーントンはいつもの彼とは全く違う外見、雰囲気で驚きました。本当に本人かと思うほどでした。口を受け口にして、若干猫背で非常に独特なしゃべり口調。それも全く違和感のない自然な演技です。役者魂ですね。

 
始終暗い雰囲気を漂わせた作品でした。映像も暗めでした。
主人公カールの口から出る彼自身のエピソードはどれも酷で、特に死んだ赤ん坊未満の弟の話などは衝撃的。しかし、彼はそれが自分のヒストリーだからと、あくまで淡々と語り、その事実をまっすぐに受け入れているようでした。自分の持つ障害、そのため周りから偏見の目で見られることも分かっているよう。すべてを受け入れ、熱心に聖書を読み、キリスト教の洗礼を受けたいと請う、その姿は、清純な心の持ち主に思えました。

カールが、勇気を出して生家に訪れた時に家の中にいた老人の父が、憎々しい雰囲気の爺さんで、パッと見て
ロバート・デュヴァルかな?まさか」と思っていたのですが、キャストにロバート・デュヴァルがいるのを確認。
自分の好きな俳優が嫌な人物を演じていると、残念な気持ちになるもんなんですねぇ。
 
私は、正直なところ彼の結末はあまり共感できませんでした。善良な心の人には幸せに過ごしてほしいという気持ちがあって、カールの選択―自分を犠牲にして大切な人を守る―というのが、カールにとっての幸せかもしれないけど、カールは仲良しのフランクといつまでも一緒にいてほしかったです。彼にとっては、一緒に過ごすということよりも、心の友達ができて少しの時間を共有できただけで十分幸せだったということなんでしょうね・・・。