リフレッシュの時間

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『アメリカン・ラプソディ』

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原題:AN AMERICAN RHAPSODY  製作年度:2001年 製作国:アメリカ 上映時間:108分
監督・脚本:エヴァ・ガルドス
出演: ナスターシャ・キンスキースカーレット・ヨハンソン、ラファエラ・バンサギ、
    トニー・ゴールドウィンエミー・ロッサム
 
【あらすじ】 実話です。
1950年代スターリンの圧政下にあったハンガリーで、ある裕福な夫婦がアメリカへ逃亡することを決意する。
その夫婦には2人の娘がいたのだが、生まれてまだ間もないジュジは国境越えに連れていくことができず、
妻のマルジットナスターシャ・キンスキーは、泣く泣く自分の母の手にジュジを残し、
ジュジだけ別ルートで越境させ経由地のウィーンで再会する手はずを整えた。
 
ところが手違いで、ジュジは越境することができず、ハンガリーの農村に預けられることになる。
ジュジを残してアメリカになど行けないと泣き叫ぶマルジットだったが、夫に説得され、
必ずジュジを取り戻すことを心に誓って、もう一人の娘と3人でアメリカへと渡る。
 
それからというもの、マルジットは大統領に手紙を書いたり国際的組織に嘆願するなど、ジュジをハンガリーから呼び寄せるためにありとあらゆる手段を尽くす。
一方で、ジュジは、子ども好きな中年夫婦に愛されて、平和に、すくすくと育っていっていた。
 
そしてある日、マルジットの強い思いが報われ、赤十字によってジュジがアメリカに連れてこられることとなった。
当時ジュジは6歳。
自分の親と信じていたハンガリーの両親から引き離され、英語もわからない全くの異国アメリカへとやってきた。
 
マルジットは我が子との再会に感動し、新聞には大々的に報じられ、
それはまるで、ジュジとその家族の素晴らしい将来が約束されたかのようだった・・・。
 


【感想】
ハンガリーの農村で育つジュジがたまらなくかわいかったです
ハンガリーの田舎の地域だけなのか、小さい子でも女の子はみんな赤ずきんちゃんみたいにスカーフを頭に巻いていて、お母さんがこしらえた手作りの服に身を包み、学校に行きます。その姿が愛らしかったです。
 
また、ハンガリーのお母さんとお父さんも、豊かではないけどジュジに我が子のようにたっぷり愛情を注いで、
見るからにいい人そうでした。赤毛のアンに出てくるマシューみたいなお父さんでした。
 
それゆえに、アメリカに行ってからその両親のことを思う幼いジュジがけなげで切なかったです。
 
DVD表紙のスカーレット・ヨハンソンは、思春期のジュジ役です。(ホント彼女いろんな映画に出ています。)
思春期のジュジは、人一倍強い愛情を注ぐ実の母マルジットとの不和で激しい反抗期でしたが、その様子を見ながら、赤ん坊の時に離れてしまったことがこんなにも大きくその後に影響してしまうとは・・・と複雑な心境でした。幼い時期にハンガリーからアメリカへ、実の母親のもとへ移すことが必ずしも本人にとってはいいこととは言えないのだなと感じました。
 
世間的には、共産主義国家から自由の国アメリカへ移れたことは素晴らしいことのように報道されていて、事実そうなんだろうけど、小さい子どもにとっては自分を育ててくれた父母が奪われ、友達が奪われ、見たこともない景色に囲まれ、何より言葉も何も分からない怖い世界なんでしょうね。突然、知らない人が「私があなたの本当のお母さんよ」と言っても、事態がつかめないし、信用できないし、自分以外のどの人も顔見知りのいない環境は、寂しくて寂しくてたまらないのは当然ですよね。
 
その後ジュジは、その孤独感や望郷への思いに対して強い心で立ち向かっていきますが、
私には、その立ち向かっていく様子よりも、異国の地アメリカでの幼いジュジの様子が強烈に印象に残りました。
 
なかなか考えさせられる映画でした。