リフレッシュの時間

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“ゴッドファーザー PARTⅢ”

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原題:THE GODFATHER: PART Ⅲ / MARIO PUZO'S THE GODFATHER: PART Ⅲ
製作年度:1990年 製作国:アメリカ 上映時間:162分
監督:フランシス・フォード・コッポラ 脚本:フランシス・フォード・コッポラマリオ・プーゾ
出演:アル・パチーノダイアン・キートンアンディ・ガルシアタリア・シャイアソフィア・コッポラ
    フランク・ダンブロシオ、リチャード・ブライト、ジョン・サヴェージ、ジョージ・ハミルトン
 
前作の“ゴッドファーザー PARTⅡ”の設定から約20年経った1970年代後半が舞台。
PART2はPART1の続きであるのに対し、このPART3はPART2の続きではありません。
本作は、過去に犯してきた多くの罪を懺悔し、贖罪しようとする年老いたマイケルの姿を中心に描きながら、
マイケルを狙うマフィアの抗争、ヴァチカンとイタリア政界の癒着などを描いています。
 
マイケル・コルレオーネは、財団を設立。マフィア組織から手を引き、合法的なビジネスを行おうとしていた。
しかし、甥のヴィンセントがマイケルの指示なく勝手に殺人を犯すなど、足を洗おうとするマイケルの意志とは反対に、ヴァチカンも絡んだ汚い闇の世界がマイケルに関与してきて、決してマイケルを解き放とうとしない・・・。


アル・パチーノの熱演はやはり凄かったです。
特に印象的なのは、
糖尿病で一時的に足が動かなくなり、「フレド~!」と叫ぶシーンや愛娘メアリーの死を嘆き悲しむシーンです。
特にメアリーの死のシーンは、アル・パチーノの表情が絵画『ムンクの叫び』を再現したようで、凄い迫力でした。
声が出る前の叫びの表情は、観ている側としても何が起きたのか一瞬わからなくて、ソワソワしました。
 
それにしても愛娘のメアリー役になぜソフィア・コッポラが選ばれたのかがわかりません。
単に監督の娘だからでしょうか。
メアリーは数年ぶりにいとこのヴィンセントに再会した瞬間ヴィンセントにしつこくアプローチしていて、
女性にもてまくりのヴィンセントがたいして美人でもなく性格も面白みに欠ける彼女を好きになる理由がわかりませんでした。マイケルの娘だから?本気で愛し合っているという設定に見えたけど、
個人的には、ヴィンセントとメアリーの恋愛ストーリーは無くて良かったと思います。


このアンディ・ガルシア演じるヴィンセントは、事あるごとにすぐ「殺せ!」と苛立つ激情家。
さらに、コニーのお膳立てのもと数年ぶりにマイケルに会った時の話によると、
ヴィンセントは昔コルレオーネ・ファミリーから敢えて抜けて他のマフィアの下に入ったらしい。
にもかかわらずそのボスと衝突し、態度を翻して今度はマイケルの配下に入ることを切望。
 
そのヴィンセントが、マイケルのもとで数ヶ月ほど(?)働いただけなのに、
マイケルから全権委任されてドン・コルレオーネになったことが納得できなかった。
他にもっと信頼できる有能な人物がいなかったのでしょうか。
それほどまで、もはやマイケルにはパワーが無かったということなのでしょうか。
 
ともあれ、ヴィンセントがドン・コルレオーネになった後の、主要人物暗殺の実行、敵のローマ法王暗殺等の展開が、オペラの進行と重ね合わせて描かれていて、クライマックスへと駆け上がる華麗な映し方でした。
このように、PART3では、主人公マイケルが体力的にも精神的にも弱っているため、
前作のような、マイケルのマフィアのドンとしての凄まじい力強さなどはあまり描かれていませんでした。
それよりも、昔は仕事が忙しくあまり家族と一緒に過ごせなかったマイケルがその家族との空白の期間を埋めるかのように家族団らんを楽しむ様子やケイとの和解の様子などが多く描かれています。
PART2で残虐非道なマイケルに少し失望していたので、年老いて人間性を取り戻したことに安心しました。
そのマイケルの、あのシチリアの邸宅の庭での最期には、空しさを感じました。
 
コルレオーネ・ファミリーは、今は3代目ドンのアンディ・ガルシアが率いているのかな。
お気に入りだったロバート・デュヴァルが出演していなかったことが残念だったけど、まあこれで良かったと思う。