リフレッシュの時間

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『万葉集』 大伯皇女と大津皇子

昨日の記事http://blogs.yahoo.co.jp/ryokuminima/31892294.htmlのコメントで、
二上山と、大伯皇女と大津皇子姉弟が登場しましたので、
大伯皇女が弟を思って詠った歌の中で、私が特に強く印象に残ったものをご紹介します。


大津皇子(663年~686年)は、天武天皇の皇子。大柄で容貌も男らしく、漢詩・武道に優れ人望もあったが、天武天皇崩御後一ヶ月も経たないうちに反逆罪で捕らえられ翌日処刑された。弱冠24歳。
大伯皇女(661年~702年)は、大津皇子の同母の姉。14歳より伊勢神宮斎宮だったが、天武天皇崩御に伴い12年務めた斎宮の任を解かれ、都に戻った。
 
一首目は、都に戻ったときに詠ったもの。二首目は、弟の大津皇子二上山に移葬されたときに詠った。
 
 神風の 伊勢の国にも あらましを 何しか来けむ 君もあらなくに
                                             大伯皇女
  こんなことなら伊勢の国にいたほうがよかったのに、一体私は何をしに都に帰ってきたのだろう、
  あなたももうこの世にいないというのに。
 
 うつそみの 人にある我れや 明日よりは 二上山を 弟背と我れ見む
                                             大伯皇女
  この世の人間である私は明日からは、この二上山を弟だと思って眺めていよう。
 
 
特に二首目の「山を弟だと思って眺めることにしよう」というのが、
弟の死を悲しむ気持ちと、弟を大切に思う気持ちがよく表れていて好きです。
 
大伯皇女が弟亡き後に、弟として思った二上山を一度見てみたいです。
 
イメージ 1二上山ではありません。
自分が以前行った旅行先で撮った山の写真です。