先日、本の街―神保町で友人と会ったときに、本を一冊買った。
古典ビギナーズのために、「万葉集」の中から、
古く親しまれている歌を約140首が選ばれ、
丁寧な解説がなされているものだ。
現在、学習院女子中・高校教諭の
坂口由美子さんという方が解説をしている。
私は古典は高校生の「古文」で止まっているので、
このビギナーズレベルが非常に読みやすい。
『万葉集』は、他の時代の歌に比べて技巧などに凝っておらず、ストレートなので、昔から好きだった。
数年ぶりに改めて読んでみると、有名じゃない歌でもその歌の感情が様々に心に伝わってきて、楽しい。
疲れているときなどにこの本を開くと、現実とは全く違う世界に心が飛んで行って、穏やかな気持ちになれる。
最近は聴いている音楽も(日本の音楽じゃないけど)「古典」で、両方から安らぎのパワーをもらってる感じ。
この本から、本日、いいと思った歌はこちら。
現在の4月1日頃に一首目が詠われ、その翌日に二首目が詠われたそうです。
春の野に 霞たなびき うら悲し この夕影に うぐひす鳴くも春の野に、霞がたなびいてなんとなくもの悲しい、この夕暮れの淡い光の中にうぐいすが鳴いて。
うらうらに 照れる春日(はるひ)に ひばり上がり 心悲しも ひとりし思へばうららかに照る春の日、ひばりは囀り高く舞い上がる・・・・・・。私の心は悲しみに閉ざされる、独り物思いに沈んでいると。