リフレッシュの時間

自分の思いつくままに、好きなことを書いています

『万葉集』 角川書店編

先日、本の街―神保町で友人と会ったときに、本を一冊買った。
 
イメージ 1万葉集』  角川書店
 
古典ビギナーズのために、「万葉集」の中から、
古く親しまれている歌を約140首が選ばれ、
丁寧な解説がなされているものだ。
現在、学習院女子中・高校教諭の
坂口由美子さんという方が解説をしている。
 
私は古典は高校生の「古文」で止まっているので、
このビギナーズレベルが非常に読みやすい。
 
 
 
 
 
万葉集』は、他の時代の歌に比べて技巧などに凝っておらず、ストレートなので、昔から好きだった。
数年ぶりに改めて読んでみると、有名じゃない歌でもその歌の感情が様々に心に伝わってきて、楽しい。
疲れているときなどにこの本を開くと、現実とは全く違う世界に心が飛んで行って、穏やかな気持ちになれる。
 
最近は聴いている音楽も(日本の音楽じゃないけど)「古典」で、両方から安らぎのパワーをもらってる感じ。
 


この本から、本日、いいと思った歌はこちら。
現在の4月1日頃に一首目が詠われ、その翌日に二首目が詠われたそうです。
 
  春の野に 霞たなびき うら悲し この夕影に うぐひす鳴くも
                                                   大伴家持
   春の野に、霞がたなびいてなんとなくもの悲しい、
   この夕暮れの淡い光の中にうぐいすが鳴いて。 
 
  うらうらに 照れる春日(はるひ)に ひばり上がり 心悲しも ひとりし思へば   
                                                   大伴家持

   うららかに照る春の日、ひばりは囀り高く舞い上がる・・・・・・。
   私の心は悲しみに閉ざされる、独り物思いに沈んでいると。
 
イメージ 2
 
大伴家持
 718年頃生。大伴旅人の子。父に従って大宰府に下り、叔母大伴坂上郎女山上憶良を初め筑紫歌壇の人々に囲まれて少年期を過ごす。 『万葉集』の編纂に大きく関わったとみられるが詳細は不明。
 785年没。政治的には混乱した時代で、大伴氏は危機を迎え、その長たる家持は失意の中にあった。
                                          (『万葉集角川書店編より抜粋。)