リフレッシュの時間

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“レディ・イン・ザ・ウォーター”

おとぎ話をおとぎ話の中で作りながら物語が進行していく、ちょっと不思議なファンタジー

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原題:LADY IN THE WATER 製作年度:2006年 製作国:アメリカ 上映時間:110分
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ポール・ジアマッティブライス・ダラス・ハワード、フレディ・ロドリゲス、ジェフリー・ライト
    ボブ・バラバンM・ナイト・シャマラン

完全なるおとぎ話、ファンタジーのお話でした。ただ普通のおとぎ話と違う点は、おとぎ話の中でおとぎ話のキーを探り、その登場する人物の役割を考えながらあてはめていき、物語を完結させる点です。



【作品紹介】
主人公のクリーブランドポール・ジアマッティ)は、マンションの管理人。
何世帯も住むマンションの住人の電話一つで呼び出され、
電球の付け替えから廊下の掃除まで何から何まで行っている。

マンションの中庭には、プールがあって、住人が使用できるのは午後7時まで。
それなのに、このところ、夜中に誰かがプールを泳いでいる音が聞こえてくる。
プールの掃除の担当者も「プールで何かしているのですか?一晩で水がぬめっている。」と。

ある真夜中、ふと目を覚ましたクリーブランドは、はっきりした水の跳ねる音を聞いた。
懐中電灯を持って、何ものか確認しにいくと・・・・・・

プールの中を泳ぐ人の姿が・・・!

それは、ストーリーという名の、透き通るような肌の少女(ブライス・ダラス・ハワード)だった。
彼女は、ブルーワールドから来たと言い、「家に帰りなさい」というクリーブランドの言葉を遮って、
「怖いからここに居させてほしい」と訴える。そして、「君は何者なんだ?」という問いには『ナーフ』と。



クリーブランドは、不可解なことを言う少女の言葉を初めは信じていないが、
彼女を帰宅させるため自分の小屋から連れ出そうとすると、外に得体のしれない緑の毛が生えたオオカミかハイエナのような生き物、フィラデルフィアには存在するはずのないような生き物に襲われ、徐々に彼女の言葉を信じ始めます。

彼女を彼女の住むブルーランドに帰すため、クリーブランドはあらゆる手を尽くそうとします。

まず、『ナーフ』に関するおとぎ話を知る韓国人(?)親子から、その物語自体を聞き出す。
そして、キーとなる役割―『通訳』、『ガーディアン』、『ヒーラー』、『ギルド』が、
マンションの住人の誰に当たるのか徹底的に探し出そうとします。

しかし、そのキーマンの手がかりも何もなく、
クリーブランドの直感か先入観による当てはめで、事態は思うようにうまく進みません。
とまあ、そんなこんなで試行錯誤しつつ、いつのまにかマンションの住人はみんな一つとなって、
事態の解決に必死になっていくのです。



【感想】
発想自体はとても面白い作品だと思いました。
つまり、おとぎ話の中で、その中の登場人物たちが、おとぎ話を作っていくわけですからね。
『ナーフ(水の精)』の名前も「ストーリー」ということで、「物語」っていうことですし。

ただ、いまいち納得できないのは、映画の導入部分、
「昔、人間は水辺で水の精とともに平和に暮らしていました。
 ところが、人間が自分のほしいままに行動し始め、水の精とは決別してしまいました」
云々のくだりと、このストーリーをブルーランドに帰すための『おとぎ話』との関連性が薄すぎることです。

もちろん全く関連がないわけではなく、ストーリーと出会った物書き・ライターが、
将来人間社会に多大な影響を及ぼすきっかけとなる人物になるということなので、一応は関連があるのですが、
それなら、初めの導入部分はそんなに熱く語る必要があったのか疑問です。

その他もろもろも、納得いかない点がいくつかありましたが、目をつぶります。

俳優に関しては、結構気に入っている俳優ジェフリー・ライトが出演していました。
でも、本当に端役です。それが少し残念だったかなぁ。まあ、登場人物が大勢いたからしかたないかな。
この『ナーフ』役の女の子、ブライス・ダラス・ハワードという女優ですが、
ロン・ハワード監督の娘だったんですね。全く知りませんでした。
透明感がある上品な顔立ちの女の子で、この役柄は適役だったと思います。

あと、作品中にも登場している監督M・ナイト・シャマラン
彼はインド人で、作品の中で多数俳優がいる中、なかなか印象に残った俳優でもありました。
ホラー作品は見ないので初めて知ったのですが、彼は“シックス・センス”の監督でもあるのですね。
まだまだ若いので、本当にこれからの俳優・監督さんですね!将来に期待したいと思います。



【補足】
このM・ナイト・シャマラン監督は、この作品で2006年ゴールデンラズベリー賞(『最低』賞)の
最低監督賞と最低助演男優賞を受賞しているんですね!

そんな「最低」というほど悪い作品だとは思いませんでしたけど(^^ゞ
これよりもっと最低な映画はたくさんあります。きっとノミネートされる分「最低」ではないんでしょう。