リフレッシュの時間

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『君のためなら千回でも』

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原題:THE KITE RUNNER 製作年度:2007年 製作国:アメリカ 上映時間:129分
監督:マーク・フォースター 
原作:カーレド・ホッセイニ
出演:ハリド・アブダラ、ゼキリア・イブラヒミ、ホマユン・エルシャディ、アーマド・カーン・マーミジャダ
   ショーン・トーブ、アリ・ダネシュ・バクティアリ、サイード・タグマウイ、アトッサ・レオーニ

製作国はアメリカとなっていますが、アフガニスタンのお話です。
アフガニスタンという国について、何の知識もなかったのですが、この映画で少しこの国のことがわかりました。

【あらすじ】
舞台は1970年代のアフガニスタンの首都カブール。
主人公は、パシュトゥーン人のアミール(少年時代:ゼキリア・イブラヒミ、成年:ハリド・アブダラ)です。

このお話は、ソ連アフガニスタン侵攻などにより国の情勢が不安定になりバラバラになってしまった
アミールとハッサン(アーマド・カーン・マーミジャダ)との思い出と友情を綴ったお話です。

この二人は違う民族で、アミールはパシュトゥーン人ですが、ハッサンはモンゴル系の容のハザラ人。ハッサンとそのお父さんは、アミールの家に雇われていた使用人という立場です。

ハザラ人のハッサンはパシュトゥーン人のアミールと親しくしているために、パシュトゥーン人の他の子供たちからいじめられ酷い屈辱を味わわされながらも、「友達」であるアミールに忠誠を尽くしている。

ハッサンがいじめられ屈辱を受けていることに気付きながら、何の手助けもしない臆病者のアミールは、ある日、一方的にハッサンに喧嘩を売って自分からハッサンを遠ざけます。

そんな中、アフガニスタンソ連が侵攻し、反共産主義的思想の持ち主だったアミールの父とアミールは、パキスタンを経由してアメリカに亡命し、その後アメリカに住み続けることになります。

アミールはもはや遠い昔のことは忘れて生活していたのですが、子どもの頃から親しくしていたラヒム・ハーンに呼ばれ、急遽、ラヒムの住むパキスタンに訪れます。そこで、自分とハッサンの出生の事実、そしてハッサンの今を知らされ、戦渦のカブールに行くことになります。



【感想】
この映画を見て痛感したのは、アフガニスタンは被害者であるということです。
ソ連が侵攻してきて、それまで平和に暮らしていた資産家のアミール家族も、亡命したアメリカではゼロからのスタート。しかし、亡命できただけでも幸せで、残った人たちはターリバーン政権により、簡単に殺害されている状況です。

そもそもターリバーン政権は、アフガニスタンパキスタンで活動していたイスラム主義の組織で、アフガニスタンはまさにその餌食になってしまったのだと思います。

また、先日同じイスラム国家のトルコに訪れてきましたが、同じイスラム国家でもトルコとアフガニスタンでは随分と様相が違います。トルコは本当に寛容なイスラム国家なのだと思います。
一日に5回礼拝の放送を流れても、全く礼拝しない人々もたくさんいるようですし。

イスラム教が絶対悪かと言われれば、個人的にはそうではないと思うのですが、この映画の中で描かれているターリバーンは、コーランクルアーン)への絶対服従を誓う過激的なイスラム教の組織でした。
しかし、トルコを見る限り、決してイスラム教=過激思想集団とは思えません。

また、映画の中で描かれている、パシュトゥーン人によるハザラ人への差別も印象的でした。
アフガニスタンという国が、私にとってまったく謎の国だったので、ある意味、多民族国家はどこの国に行っても必ず民族差別があり、民族間での貧富の差があるのだと知りました。アフガニスタンの場合、国民の半数近くを占めるパシュトゥーン人が裕福で、その他の民族は差別されているようです。


この映画については、子役の演技がとてもよかったです。
特にハッサンを演じた子役はとてもよくて、非常に好感を持ちました。

アミールの成年を演じたハリド・アブダラは映画“ユナイテッド93”でテロリストを演じたそうです。
この俳優も、印象的な俳優でした。