リフレッシュの時間

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ルネ・ラリック展

国立新美術館で開催されている、ルネ・ラリックに行ってきました。


ルネ・ラリックとは、アール・ヌーヴォーアール・デコ時代にわたって
ジュエリーデザイナーガラス工芸家として活躍した、フランスのアーティストです。

ここで、簡単に、
アール・ヌーヴォーとは、曲線を多用した凝ったデザインを特徴としており、
一方、大量生産できないアール・ヌーヴォーに代わって登場したのが、
アール・デコという、簡潔さ・合理性を目指したものだそうです。

ルネ・ラリックは、初めはアール・ヌーヴォーの宝飾品のデザイナーとして活躍しましたが、
その後、アール・デコ様式のガラス工芸作家へと転身していきました。


今回の美術展では、その変遷が非常にわかりやすく展示されていました。

宝飾品はどれも美しく、素敵でした。カルティエ展で展示されていた宝飾品と違うのは、
カルティエ展のジュエリーがどれもダイヤモンドをはじめとした多数の宝石に彩られているのに対して、
ルネ・ラリック展のジュエリーは、宝石は1点使いで他ガラスで装飾したものが多かったことです。

ガラスとはいっても、当然ですが、デザインも良かったので全く見劣りしませんでした。
デザインも、草花や、鳥、トンボやカブトムシなどの虫、ニンフ(妖精)など様々で見ていて飽きません。

美しい作品ばかりでしたが、私が特に好きだと思ったのは、ブローチの『フルート奏者』です。
写真・ポストカードがなくて残念なのですが、
だいたい直径5㎝くらいのブローチで、金色の細やかな線でフルート奏者が描かれ、
その周りに、シャボン玉のような丸いオパールの石が散りばめられている作品です。
フルートの奏でる音がオパールの神秘的な輝きを放っているようで、とても心惹かれました。

次に、面白いなと思った作品がこちらです。
イメージ 1『コウモリ』のバックルです。
一般的に不吉と思われそうなコウモリを
扱っている時点で興味が湧きますが、
このコウモリの表情がピエロみたいで、
ユニークで好きです。
「シャーッ!」と脅かしているみたいに
見えるんですが、
羽の外側の部分がハートの模様で、
かわいくも見えます。
トランプの模様みたいなデザインですね。


アール・ヌーヴォーの宝飾品の次に登場したのが、アール・デコのデザインのガラス工芸なのですが、
これもまたきれいでした。どちらかというと今の私の好みはこちらのアール・デコのようです。
もちろん、アール・ヌーヴォーの繊細な優美な曲線も大好きなんですが、
「どちらか一つ選択するならば」という意味で、です。

抽象的でまっすぐな線がかっこよくて、どれも見とれてしまいました。

香水瓶や、ガラスの器、灰皿など、実用品のものが多かったです。
香水瓶のデザインなんかは、その香水瓶を持っているだけでうれしくなってしまいそうなかっこいいデザインで、
これが化粧品会社などで売られていたのかと思うと「いいなぁ」と思ってしまいました。
買えるかは別問題ですが。

ポストカードの中で私が見とれていたうちの一つがあったので、ご紹介します。

イメージ 2花瓶『つむじ風』です。
彫りが深くて、大胆な模様で
良かったです。色は、ブルーの
ものがきれいだと思いましたが、
ポストカードで見ると、
透明のものがきれいですね。

ガラス工芸は奥が深くて、オパール色に見えるオパールガラス(?というような名前の技法)が
どれも美しかったです。
オパールガラスは、乳白色ベースに、光の加減で青味がかったりオレンジ色っぽくなったり神秘的で、
しかし、温かみがあるガラスなので、赤ちゃんや女性などを象ったオパールガラスは本当に美しかったです。

曇りガラスの作品もよかったです。
ガラスは、オパールガラスといい、曇ってるほうが私は好きなようです。



他にも数々の美しい作品があり、ここにご紹介できないことが非常に残念です。

箱根に、箱根ラリック美術館があり、⇒箱根ラリック美術館HP
ずっと前から行きたい行きたいと思っているのですが、さらにその思いが強まりました。

この夏は行けませんが、いつか必ず行ってみたいと思います。



ルネ・ラリック展は、9月7日まで開催しています。
土曜なのにかなり空いていたので、お時間ある方はお気軽にお立ち寄りできますよ。