リフレッシュの時間

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『プレシャス』

先日2010年のアカデミー賞が発表されましたね!ナタリー・ポートマンが主演女優賞を獲得し、うれしいです
この映画は2009年のアカデミー賞主演女優賞ノミネートで話題なりましたよね。助演女優賞は見事受賞でした。
 
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原題:PRECIOUS: BASED ON THE NOVEL PUSH BY SAPPHIRE  
製作年度:2009年 製作国:アメリカ 上映時間:109分
監督:リー・ダニエルズ   原作:サファイア  脚本:ジェフリー・フレッチャ
出演:ガボレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットンマライア・キャリーシェリー・シェパード、
    レニー・クラヴィッツ、チャイナ・レイン
 
【あらすじ】  ねたばれなし
クレアリース・プレシャス・ジョーンズガボレイ・シディベ)はハーレムに住む16歳。数学が好きだけど、読み書きはまるでできない。家に帰ると、無職の母(モニーク)が煙草を片手にテレビを見ながら、プレシャスに、「早く食事を作れ」「煙草を買ってきたか」とたたみかけて言う。プレシャスの返事が気に入らないと、彼女の頭めがけて物を投げ、フライパンで殴りかかるときもある。そういうときは、彼女はいつも華やかなドレスを身にまとい歌って踊っている自分を空想して、現実逃避していた。
 
ある日の授業中、プレシャスは校長先生に呼び出され、「2人目の子を妊娠しているんでしょ?」「家庭の状況はどうなの?詳しく話せないなら退学処分です。」と告げられる。プレシャスのおなかの子は父親のレイプによってできた子で、プレシャスは、生活保護をもらっている母から脅されており、何も話せない。
その後、校長先生が家庭訪問に来るが、母の命令で家に通さず、プレシャスは退学処分になった。校長先生はインターホン越しに、“代替学校”である“EOTO”を紹介し、プレシャスはそこに通うことにした。
EOTOには、レイン先生ポーラ・パットンがいて、そこにはそれぞれの事情でここにやってきた同じ年頃の女の子たちがいた。読み書きが全くできないプレシャスだったが、先生の熱心なサポートもあり、次第に読み書きができるようになってきた。
 
ある日、自分の作文をみんなの前で読んでいるところに突然陣痛が来て、彼女は病院に運ばれ、2人目の子を出産する。その子を抱いて家に帰ると、帰宅と同時に母が「子どもを抱かせろ」「私に飲み物を」と命令し、プレシャスがその飲み物を準備している間に、母は、赤ん坊を椅子にポーンと放り出して、プレシャスの頭にガラスのコップを投げた。母親ともみ合いになったプレシャスは、我が子を守るため一心不乱に家を飛び出した・・・。
 


【感想】
壮絶でした。プレシャスの人生が、まだ16年ほどなのに、壮絶すぎてショッキングでした。
しかし、ここまで悲惨な生活を強いられているのに、希望を失わないプレシャスに勇気を与えられます。
 
「ときどき死にたくなる。」と彼女は言ってたけど、それは、こんな環境なら当然のことで、それでも彼女は1人目の子と2人目の子のために、必死で前へ向かっています。彼女自身も徐々に変わっていっていて、前は、体が細くて華やかなアイドルになりたいとばかり思っていたけど、それが、レイン先生の「今もキレイよ」の言葉で、自分に自信がついていきます。そんな彼女の様子を見ていると、自然と彼女を応援したくなります。
 
上で書いたあらすじの後、さらに彼女に追い打ちをかけるように悲運が訪れますが、それでも彼女がその逆境にめげずに強くなっていけたのは、我が子への思い、愛情でしょうね!どんなに親に苦しめられようとも、自分の子どもたちはなんとしても守って、愛していきたい、その気持ちが彼女をどん底から救っていきます。
 
 
それにしても、彼女の環境は劣悪の最低でした。母親は、自分の夫が我が子にレイプしても助けないどころか、むしろ「私の愛する夫を奪った」と彼女を憎んでいるし。この環境がアメリカの最貧困層ということなんだから、一体どうしてこんな環境になるんだろう。日本の最貧困層ってここまで劣悪な環境じゃないですよね・・・。貧富の差が激しすぎるとこんなふうになってしまうのだろうか。でも、貧困が我が子への性的虐待の直接の理由にはならないので、きっと他に原因があるのでしょうね・・・。アメリカ合衆国って、精神的に荒んでるように見えます・・・。