リフレッシュの時間

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“日本の美術館名品展”

先日、東京都美術館で開催されている日本の美術館名品展に行ってまいりました。
詳細な情報はこちら→日本の美術館名品展HP

こちらの美術展は、
「美術館連絡協議会」に所属している公立美術館がこぞって自分の美術館の「名品」を出展したものです。
そのため、日本全国の「名品」が見れて、非常に楽しめました!


ここからは、私が特に印象に残った作品についての感想です。

感動したこと。

その1:岸田劉生を見れたこと!!

イメージ 1私は中学生の時から岸田劉生のファンでした。
美術の資料集にあった“切通之写生”(東京国立近代美術館 蔵)を
初めて見たときに、この絵の、色使い・構図などに直感的に
「かっこいい!」と惚れ込んだわけです。その時にこの絵が、
岸田劉生という画家の作品だと初めて知ったわけなのです。
(右の写真は“切通之写生”ですが、この美術展には来ていません。)

そのため、岸田劉生と言えば・・・と言われる岸田劉生の代表作“麗子像”を見たときには、
「なぜこのおかっぱ少女のほうが有名なのか?」とずっと疑問を抱いていたくらいです。
(そのうち、この“麗子像”の魅力もわかるようにはなりました・・・)

“麗子像”は、ダヴィンチの“モナリザ”の子どもバージョンのような
柔らかな笑みと雰囲気が特徴的な作品ですが、
私は“切通之写生”が大好きであることからわかるとおり、岸田劉生のはっきりした鋭い(?)描き方が好きなので、
いまだに、“麗子像”より“切通之写生”のほうがだいぶん(笑)好きです。

今回の美術展では、“切通之写生”に少し雰囲気の似た“冬枯れの道路(原宿附近写生)”が
新潟県立近代美術館から来ていました。残念ながら、画像はありませんが、
切通之写生”より空と土との色の対照度は弱く、構図も土の部分が多いものでした。
しかし、岸田劉生の作品を一つでも見れただけでそれだけでうれしい気持ちです。


その2:佐伯祐三を見れたこと!

佐伯祐三は、私の好きな画家の一人です。
それは、佐伯祐三の作風が好きなこともありますが、
それとは別に、佐伯祐三が私の出身高校に作品を寄贈していて母校のお守りかのように扱われていたことから、
何か親近感を感じそれで好きになったという部分もあります。

今回、三重県立美術館から来ていた佐伯祐三の作品はこちらです。
イメージ 2サンタンヌ教会”(1928年)
少し暗い作品ですね。
佐伯祐三の作品は、まだ2、3回ほどしか見たことがないので、これからもっと見る回数を重ねて感じていきたいと思います。
佐伯の慕っていたヴラマンクの作品“雪”も北九州市立美術館から来ていました。
ヴラマンクの作品も良かったです。力強い素早いタッチで決して細かく描写しているのではないのに、雪のリアル感や人の様子が見えて、見ていて不思議な感覚に襲われました。


その3:大好きな印象派画家たちの作品を見れたこと。

この美術展に入場すると、まず印象派の作品が並んでいました。
印象派は大好きなので、テンションが上がりつつ進んでいくと、大大大好きなゴッホの作品も!

ゴッホは、吉野石膏株式会社(山形美術館寄託)所蔵の“雪原で薪を集める人びと”という作品で、
初めて見たものでした。

絵はがきなどもなかったので、ご紹介できず残念なのですが、
どんな絵だったか言うと、絵の左中上あたりにあるオレンジの夕陽と白の雪原の色の対照が印象的な作品で、
茶色い顔に茶色い服装の農民が2,3人、薪を持って歩いている絵でした。

夕陽のオレンジが、オレンジと言っても赤みの強い朱色で、
冬の絵なのに冬らしくない、温かみのあるような色でした。
それと対照的に、雪の真っ白さが、その寒さを感じさせる作品でした。

ゴッホは、どの作品を見ても好きです。
鮮明な色を使って表現し、胸に直接訴えてくる作風が好きなのだと思います。


他にも、ミレールノワールモネセザンヌシニャック・・・
といった有名な画家の作品が勢ぞろいしていました。
ピカソも3点もありましたよ。
徳島県立近代美術館から来ていた“ドラ・マールの肖像”という女性の肖像画が美しかったです。

日本画、彫刻などもたくさーんありました!
滋賀県立近代美術館出展のブランクーシの“空間の鳥”は、
鳥が羽ばたく瞬間をブロンズの曲線で描いた巨大な彫刻でしたが、
本当に羽を広げて胸を張って鳥が飛び立とうとする姿を、抽象的に表わしていて、見入ってしまいました。
美しいフォルムでした。

地方の公立美術館も捨てたもんじゃないです。
ぜひ、地方に旅行に行った時には足を延ばして立ち寄りたいですね!


この美術展を通して、私が一度は行ってみたいと思った公立美術館3館はこちらです。
各美術館がこの「日本の美術館名品展」に出展している「名品」も併せて載せておきますね。
1.富山県立近代美術館
  パブロ・ピカソ “静物” 1941年制作
  マルク・シャガール “山羊を抱く男” 1924‐1925年制作
  ジャクソン・ポロック “無題” 1946年制作

2.愛媛県美術館
  ポール・セザンヌ “水の反映” 1888年‐1890年頃制作
  ピエール・ボナール “アンドレ・ボナール嬢の肖像 画家の妹” 1890年制作
  
3.埼玉県立近代美術館
  カミーユピサロ “エラニーの牛を追う娘” 1884年制作
  クロード・モネ “ジヴェルニーの積みわら、夕日” 1886年制作

他にも茨城県立近代美術館や、徳島県立近代美術館島根県立石見美術館なども面白そうです。
こんなにたくさん旅行できませんけどね(^^ゞ